第27章 実らない初恋をいつまでも
「きゃー!かっわいいー!」
「嘘!?ホントに心叶都なのー!?」
「宮村お前…女にしか見えねえって!!」
「はは…」
教室に戻った途端、女装+メイド服を着たカノトにクラスメイト達は驚いた顔で騒ぎ出す。男子に至ってはあまりの可愛さに頬を紅く染め、ぼう然と見つめている。
「マジかよ…あれが宮村?」
「めっちゃ可愛くねえ!?」
「やべぇ…男なのに惚れそう」
「クソー!何で男なんだよアイツ!!」
「ちょっと!!心叶都をいやらしい目で見てんじゃないわよ変態!!」
「可愛ければ性別なんて関係ないってわけ!?」
「いやあー!!ろくでなしッッ!!」
「ほんと男ってサイテー!!」
「誰がろくでなしだ!!」
「宮村の方が可愛いからって嫉妬すんなよ!ブス!」
「「今、なんて言った?」」
「ひぃぃっ!?」
「こここ殺される…!!」
禁句を放った男子の言葉にギロリと眼光を鋭く輝かせた女子達は殺意を芽生えさせる。殺しそうな勢いに怖気付いた男子達が情けない声を上げ、逃げていく。
「(げっ…他のクラスの人達まで見に来てる!?見世物じゃないんだけど!?)」
「っ……カノト!?」
「…タケミチくん」
「オマエ…その格好!!」
「僕にもどうしてこんな格好をする羽目になったのか未だに分からない…」
「マジで何で女装してんの?」
「お金をがっぽり稼ぐ為だって…」
「は?金?」
「(あまり騒がないでほしいんだけどな…)」
「つーかまんま"オマエ"じゃん」
「うん…僕もビックリした」
「マイキー君が見たらやべえんじゃね?」
「やっぱりそう思う?」
「お前見た瞬間、抱き着きそう。あとお前のその格好を見た男を全員殺しそう」
「現実になりそうなこと言わないで…」
「マイキー君、お前のこと大好きだからな〜結構ガチでやばかったりしてな!」
「笑い事じゃないよ!?」
何を呑気に笑ってるの!?
「文化祭、マイキー君も来るんだろ?」
「うん」
「一緒に回れて良かったな!」
「うん!」
タケミチの言葉に嬉しそうに笑う。
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