第27章 実らない初恋をいつまでも

「なぁ…何でオレ達、出逢っちまったんだろうな？」



「……………」



「オマエじゃなければ良かった」



「え？」



「好きになったのがオマエじゃなければ良かったよ」



マイキーは表情も変えずに淡々と言うと、カノに歩み寄り、ベッドに押し倒す。



「出逢った時にオマエを突き放しておけば、ここまで引きずることもなかったのにな。オマエが手を取ったせいだ。オレの傍を離れないって誓ったからオレは…」



「(出逢ったのが私じゃなければ良かった…？好きになったのが私じゃなければ…良かった？)」



「ホントなんなんだオマエは」



冷たい目で見下ろすマイキーの言葉に傷付き、じわりと涙を潤ませた。



「わ…私は…マイキーくんと出逢えて良かったです。好きになったのがマイキーくんで良かったです…っ」



「……………」



「私は今も昔も、ずっと、マイキーくんだけが───……」



「オマエの言葉はもう信じねぇ。前にそう言ったはずだ。そうやってまたオレに信じさせておいて、最後は裏切るんだろ」



「マイキーくん…」



「触んな!!」



「っ………!!」



どこか寂しさが垣間見え、無性に触れたくなって、そっと手を伸ばせば、拒絶するようにその手をバシッと強く払い除けられる。



「ど、うして…拒絶、するの…？」



「……………」



「わ、私が触れたら…め、迷惑…？ただ…マイキーくんに触れたかっただけなのに…」



「迷惑だから触んな」



「っ……………」



ハッキリと拒絶の言葉をぶつけられ、悲しくなって涙が流れる。



「泣けばオレが慰めるとでも思ってんのか？今更オマエが泣いたところで涙を止めてやりてぇとは思わねーよ」



「(この台詞…あの時のマイキーくんの言葉と似てるけど…目の前にいるマイキーくんは私が泣いていても…涙を拭ってはくれない。)」



「今度こそ殺してやる。」



「マイキーくん…好き」



「オレは好きじゃない」



「好き」



「そうやってまたオレを惑わすのか」



「っ、好き、マイキーくん…！」



「もう黙れ。」



額に銃口が突きつけられた。



「オレの為に───死んでくれ。」



バンッ



無機質な部屋に一発の銃声が響いた…。



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