第26章 我儘な彼氏は彼女の隠し事を暴きたい
「へぇ……。誰とメールしてたの?」
マイキーは持ってきた飲み物をテーブルに置いて、不機嫌そうな声で聞いた。
「学校の友達です。今文化祭の準備で色々忙しいので息抜き相手になってあげてるんですよ」
疑われないように誤魔化して笑う。
「携帯を胸の前で握んのは、相手に対してやましい気持ちがある時なんだって、知ってた?」
「!いえ、初耳です…。そうなんですか?」
「クラスの女子が雑誌で読んだって言ってた。カノの今の仕草も…もしかしてオレにやましい気持ちがあるから、そうやって胸の前で握ってんの?」
「ち、違っ……!これはその……」
「一応聞くけど、メールしてる相手って女?それとも…男?」
「(う……マイキーくんの顔が怖い。)」
「オレには隠し事できねーんだから、素直に吐けよ。じゃねーと…後で後悔して泣く羽目になんのはオマエだぞ」
「……男、です。」
「……………。」
「でも別に隠してたわけじゃ…!」
「はぁぁぁ……」
深い溜息を洩らしたマイキーにビクッと体が跳ね、息を呑んだ。
「なぁ、」
「は、ぃ……」
「オレがいんのに堂々と他の男と浮気してるとか…カノって実は一人の男だけじゃ満足できないタイプ?」
「!!」
ソファーに乗ってきたマイキーがカノトに詰め寄る。その不穏な空気とピリついた雰囲気を感じ取ったカノトは、ハイライトを無くしたマイキーから逃れるようにズルズルと後ろに退る。
「逃げんなよ。」
「っ………!」
ドサッと押し倒され、驚いたカノトは無表情でこちらを見下ろすマイキーに顔を強ばらせる。
「カノ、答えろ。オマエ…浮気してんのか?」
「そんなわけないじゃないですか!マイキーくんの馬鹿!というか押し倒さないで!」
「オマエがオレから逃げんのが悪ぃ。」
「マイキーくんが怖い顔して迫って来るからです!そもそもマイキーくんは本気で私が他の男と浮気してると思ってるんですか!?」
「思ってるわけねーじゃん。けどオマエがオレに隠し事してるっぽいから、こうして問い詰めて吐かせてるんだろ」
「!」
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