第26章 我儘な彼氏は彼女の隠し事を暴きたい
「大抵は困った我儘が多いですけど、それでも…マイキーくんの我儘に付き合うのは嫌ではないんです」
「今日のカノはデレが多いなぁ〜」
「なんですかデレって」
「普段はツンってして、オレの我儘拒否ンのに今日のオマエは素直にデレてくれるから嬉しい♪」
「…マイキーくんが"ここ"にいるから。あの時言っておけば良かったと後悔する前にちゃんと言葉と行動で伝えようと思ったんです」
「………。カノさ、なんかあった?」
「どうしてそう思うんです…?」
「んー…なんか泣きそうな声してっから」
「!」
「オレがさ、玄関の扉開けた途端、オマエ、オレのこと見て、すげー泣きそうな顔してんだもん。大事なカノジョがそんな顔してると、やっぱ気になるじゃん?」
ぎゅっと抱きしめたまま、頭の上に顎を乗せて聞いてくるマイキーにカノは"やっぱりマイキーくんには隠し事できないや…"と内心思い、泣きそうな顔で笑う。
「無理にとは言わねぇけどさ、独りで抱え込んで解決できねーなら、オレを頼ってよ。カノが笑ってくれるなら、オレ、なんでもするよ?」
「マイキーくん…」
「オマエの笑顔を消す奴はオレがぶっ飛ばす。オマエを傷付けて泣かせる奴もオレが絶対に許さねぇ。カノを守るのはオレの役目だから」
そう言ってマイキーは優しく笑う。
「本当に大したことではないんです。最近色々忙しくて…少し疲れてしまっていて…それでいてマイキーくん不足だったので…久しぶりに顔を見たらなんだか泣けてきちゃって…」
「オレに会えて嬉しかった?」
「はい」
「泣きそうになるほど、カノはオレに会いたくて会いたくて仕方なかったんだ?」
「そうです…けど…。何ですか…そのニヤけた顔は。」
声色に嬉しさが混じり、ジト目で見上げると、マイキーは口許を緩め、愛おしげにニマニマと笑い、カノを見ていた。
「オレのカノジョ、ほんと可愛いなーって」
「な、なんですか急に」
「そっかそっか。オレのこと好きすぎて寂しくなっちゃったんだな〜。これはもうあれだな!元気のないカノに、オレの愛をたぁーっくさん注いでやらねぇとダメだな!」
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