第3章 ふたりを繋ぐ証
「コレなら外したり千切れない限り、ずっと付けてられるだろ」
「嫌じゃないんですか…男のボクとペアなんて。こういうのは…恋人がペア物を付けるからこそいいのでは…?」
「嫌なわけないじゃん。オレはオマエがいい。オマエとじゃなきゃ、やだ。」
「(…まるで恋人に送るセリフ。マイキーくんはかっこいいから、つい本気にしてしまう…)」
「で…オレとペアしてくれるよね?」
「はい…」
「決まり。おっちゃん!コレちょーだい!」
奥から“まだオニイサンだ!!”と不服そうな声がし、選んだパズルピース型のペアネックレスをショーケースから出してくれる。その時にマイキーは一枚の紙を店主に渡した。
「何渡したんですか?」
「ん?彫ってもらう文字」
「僕も知りたいです」
「んー…秘密。」
「なんで!?」
人差し指を口元に当てたマイキーが意地悪そうに笑う。どうしても教えて欲しいカノトはマイキーに頼み込むも“悔しかったら当ててみてよ”と言われるばかりで、結局最後まで教えてくれることはなかった。
「ほい、カノはピンクゴールドの方ね」
「…ありがとうございます」
「まだむくれてんの?」
「だって気になります」
「へぇー気になるかー」
「マイキーくん、教えてくださいよ」
「ヤダ♥」
「……………」
「いつか分かるから今はまだ内緒」
「その“いつか”はいつですか?」
「さあ?」
「マイキーくん」
「そう怒んなって。“いつか”は必ず来るからさ。その時はオマエの答えを聞かせてくれ」
「………?」
マイキーの意味深な発言に首を傾げる。パズルピースを見るも、英語で彫られており、更には中途半端な英文な為、どんな文字が刻まれているのか全然分からなかった。
「(まぁ…いつか分かるならそれでいっか。)」
カノトは諦めた。
「こんな素敵なお返し、ありがとうございます。エクレア以上のお礼を貰っちゃいましたけど…」
「ちゃんと身に離さず首から下げとけよ。もし無くしたら…キツーいお仕置きが待ってるから」
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