第3章 ふたりを繋ぐ証
「あ…ああ!なるほど!」
「忘れてんじゃねー」
「すみません…」
話の内容が理解でき、ぽんっと両手を打つ。マイキーは呆れたように溜息を洩らす。
「オレと一緒にいんのに他の事に意識向けられんのすげーやだ。」
「ご、ごめんなさい…」
「呼んでもオレのほう向いてくんなかったし」
「(う…完全に拗ねてる。)」
「オレが呼んだらちゃんとオレのほう見て」
「はい…ちゃんと見ます」
その返事に満足したマイキーは笑い、顔を正面に戻す。
「で?どれにすんの?」
つられてマイキーの視線を追うと、ショーケースに入ったアクセサリー類がたくさん並べられている。
「アクセサリーショップ?」
「オマエがいつまでも悩んでっから、オレが勝手に決めた。金属アレルギーとかある?」
フルフルと首を横に振る。
「マイキーくん、こんなお店知ってたんですね。普段アクセサリー付けてないので少し意外でした」
「……………」
カノトの言葉にマイキーは何も言わず、ショーケースの中からネックレスを指差す。
「それとかいいんじゃねぇの」
「パズルピース型のペアネックレス?」
それは二つ合わせると一つになるネックレスだ。片方はシルバーで、もう片方はマイキーの髪色に似たピンクゴールド。無料で文字も彫ってくれるらしい。
「…可愛いですね」
「それにすれば?」
「うーん…」
「カノ悩み過ぎ!男ならパッと決断しろ!パッと!」
「そんなこと言われても…」
何故か怒られてしまった。
「ペアネックレスなんて誰と付ければ…」
「オレとしよーよ、ペア」
「マイキーくんと?」
「何でそんな驚いてんの?」
「いえ…まさかマイキーくんが僕とお揃いの物を付けてくれるなんて思わなくて…」
「普段ならしないけどな。アクセサリーなんて付けても邪魔なだけだし」
「じゃあ何で?」
アクセサリー類が嫌いなのに何で自分とはペアネックレスをしてくれるのだろう?
「そんなの決まってんじゃん」
こちらを見たマイキーは微笑む。
「オレがオマエとの“繋がり”が欲しいから」
「!」
.