第25章 思いもよらない告白
「カノトの恋人ってさ、愛情表現がオープンな人って言ってたけど…こういう人が多い場所でも脇目も振らずイチャつくの?」
「…何、突然。」
「ちょっと気になっただけ」
「秘密」
「えーつまんないな〜。でも"秘密"なだけで否定はしないんだ?」
「…僕の恋人の事はいいでしょう」
「だって気になるし」
「どうして?」
「その恋人はこうやってお前に触れたりすんのかなーって…」
「!」
頬に触れようとした悠生の手をパシッと軽く払い除ける。悠生は驚いて目を見張った。
「男の頬に触ろうとしないでよ。周りから変な目で見られるじゃん。それに、僕の恋人が僕にどう触れようと悠生くんには関係ない事だよ」
「…すげー警戒心。そんな冷たい目で見られたの初めてだわ。もしかして俺がカノトを気に入ったって言ったから…?」
「…違うけど」
「あー…また怒らせた?」
「……………」
「カノトは怒る顔も綺麗なんだね」
「はぁ?」
「本気でその恋人が羨ましいよ。俺の知らないカノトをたくさん知ってるんだろうな。でもザンネン。そんな拒絶の仕方じゃ俺はめげないよ」
「!」
「カノトがあの笑顔を向けてくれるまで、俺は何度だってお前の気を引くよ」
「さっきから何言って…」
「隠すつもりもないから正直に言うな。俺、お前に惹かれてるんだ」
「っ………!?」
「カノトと出会ってから数ヶ月、お前の傍にいて、いろんな顔のお前に惹かれ始めて、気付いたら自然と目で追うようになった。これが恋だって気付いたのは最近なんだけどな」
「ま、待って!冗談…だよね?」
「本気に決まってんじゃん」
「正気!?僕男なんだよ!?」
「それでもカノトが好き。こんなに人を好きになったのは初めてなんだ」
「い…いやいや!恋人いるって知ってるよね!?」
「うん、知ってる。お前の事が大好きで仕方なくて愛情表現がオープンの恋人だろ」
「そうだよ。大事な恋人なんだ。だから悠生くんに好きになられても困る!」
カノトは本気で焦り始める。
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