第25章 思いもよらない告白
「服だけかと思えば、靴とか小物とか色々入ってて予想外に重いな…」
「流石に学校まで持って行くのは厳しいね」
「喉も渇いたし、どっかで飲み物でも買おうぜ…」
自販機を探しながら財布を出そうとする友人だが…
「ん!?あれ!?」
「どうしたの?」
「やべぇ…さっきの店に財布忘れてきた!!」
「うっかり屋さんだな〜」
「うっせぇ吾妻!笑ってんじゃねえ!急いで取りに行ってくるから荷物頼む!」
「ここで待ってるよ」
「おう!」
猛ダッシュで先程の店に忘れた財布を取りに走って行った。
「とりあえずあそこのベンチに座ろっか」
「そーだね。あ、アイツの荷物持つよ。重いデショ、貸して。ついでにカノトのも」
「え!?いいよ!自分で持つし!全部持ったら悠生くん重いでしょ!」
「ぜーんぜん。俺の方が力あるし。それにさっき勝手に写メ撮ったお詫びさせて」
「!」
「ほら、座ろ」
「う、うん…」
結局、悠生に全部持ってもらい、友人が戻って来るまでベンチに座って休む事にする。
「(そうだ。兄さんなら迎えに来れるかな。一応連絡してみよう。)」
携帯を出し、マドカにメールを送る。
「彼女にメール?」
「ううん。荷物多いし大変だから兄に車出してもらおうと思って」
「へぇーお兄さんいるんだ。カノトに似てる?」
「どうかな。多少は似てるけど…性格までは似てないと思うよ」
「でも性格の一つくらいは受け継いでるもんじゃないの?例えば…カノトの優しいところはお兄さん譲りとか!」
「確かに優しいけど…ちょっと心配性なところはあるかな」
「それだけ弟が大事ってコトだろ」
「("妹"だけどね。)」
「ちょっと心配性の方が大事にされててイイじゃん」
「大事にしてくれるのは嬉しいんだけどね…もっと大学生活を満喫してほしいよ。昔はそれが出来なかったら…兄さんにはいつも自由でいてもらいたいんだ」
「?」
「(あの人が兄さんを縛り付けて家から出さなかったから…)」
カノトは悲しげに表情を曇らせた。
.