第25章 思いもよらない告白
「そういう問題じゃ…」
「それとも…カノトの恋人は男同士のツーショットでも嫉妬すんの?」
「………………」
悠生の言葉に何も言い返せない。下手に何かを言えば、女だってバレるかも知れないし、マイキーとの関係が知られるかも知れない。それだけは絶対に避けたかった。
「はぁ〜…今回は仕方ないから許す。でも次、勝手に撮ったら本当に怒るよ。あと今の写メ、絶対に他の人には見せないで」
「わかった」
悠生は口許に微かな笑みを浮かべ、私服に着替える為、試着室へと向かって歩き出す。
「なぁ宮村…」
「何?」
「お前の恋人ってアイツだろ?あの怖ぇ先輩…」
「…そうだね」
「確かに嫉妬深そうだもんなー。あの時だって俺がお前に触れただけでめちゃくちゃ不機嫌になってたし…」
「普段は優しい人だよ」
「…優しい要素がどこに?俺すげェ殺されそうな目で睨まれたんだけど…マジであの時は死ぬかと思ったんだからな!?」
マイキーに凄まれた時の事を思い出し、友人は両腕で自分の体を抱き竦めるとブルブルと震えた。
「けど俺でも分かるよ」
「ん?」
「あの人、本当にお前の事が大好きなんだなって」
「!うん…」
カノトは嬉しそうに笑う。
「しっかしアイツ…最近妙にお前に構うよな?学校でも結構話しかけて来るじゃん」
「確かに…話しかけられる回数は多いかも」
「実は"ソッチ系"だったりして」
「!」
「なーんてな!ンなワケねーか!さっさと俺も着替えて来よ〜」
「("ソッチ系"って…男が好きってこと?)」
友人の言葉が離れず、悶々と考える。
「(え?悠生くん…もしかして私に気があるの…?)」
『なぁ、もし俺がお前を気に入ったって言ったらどうする?』
「(いやいや…まさかね?)」
『俺、カノトのこともっと知りたいな』
「………………」
考えれば考える程、頭が痛くなる。
「(あ〜もう!!分からない…!!)」
モヤモヤする気持ちを残したまま、試着室から出て来た二人と共に店を出た。
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