第25章 思いもよらない告白
「構いませんよ。そちらは別のタイプの執事服として飾ってあるサンプルですので。お兄さん、とてもお似合いですよ」
「いやぁ〜それほどでも〜!」
店主に褒められ、照れた友人は後頭部に手を遣り、満更でもなさそうな顔を浮かべる。
「写真撮ってあげようか?」
「撮る!んでめぐたんに送る!かっこいいって褒めてくれるぞ〜」
デレデレと鼻の下を伸ばす友人を無視して携帯を取り出し、一枚撮った。それをメールに貼り付けて、友人に転送する。
「めぐたんに送信〜!」
"ぽちっとな!"と言う古い言葉を使いながら、めぐたんがいる方に向けて携帯のメールを送信した。
「僕も執事服が良かったよ」
「お前が執事に変装して接客なんてしたら大半の女子共が気絶するだろうが!少しは俺たち負け組にも花を持たせろ!」
「別に気絶はしないんじゃ…」
「カノトは小柄で顔立ちも綺麗だからメイドの方が似合うと思うよ?」
「!」
「あ!お前も着てんじゃねーかよ!」
「悠生くん…何で着替えてるの?」
「一度着てみたかったんだよね。どう?似合ってる?かっこいいデショ?」
「似合ってるよ」
「(かっこいいとは言わないんだなー…)」
「これが勝ち組の執事か…」
友人は悔しげにチッと舌打ちをする。
「ね、俺も写メってよ」
「悠生くんも?」
「カノトとのツーショットがいい♪」
「やだ」
「えー!?何で!?執事服着た俺とのツーショットだよ!?レアだよ!?記念に一枚撮ろうよ!!」
「恋人が嫉妬するからダメ」
「!」
「ごめんね」
そう言って、パチンと携帯を閉じた。
「……………」
悠生は自分の携帯を取り出し…
「カノト」
「ん?………っ!」
パシャッ
「撮っちゃった☆」
「!!」
ぐいっと肩を引き寄せ、カノトとのツーショットを撮った。驚いて目を見張るカノトに悠生は片目を瞑り、ぺろっと舌を出し、悪戯顔で笑った。
「あとでお前にも送ってやるなー」
「悠生くん…僕の話聞いてた?」
「そんなに怒らないでよ。別に女の子とのツーショットじゃないんだしいいじゃん」
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