第3章 ふたりを繋ぐ証
「2005年8月3日。東京都渋谷区の駐車場で暴走族のグループ50人が乱闘。“中学生”(15)がナイフで腹部を刺される等の暴行を受け死亡」
「もしかしてその中学生が…」
「龍宮寺堅です」
二人はゴクッと喉を鳴らす。
「ネット当時の事を書き込んでいる文がいくつかありました。それによると、東卍の“マイキー派”と“ドラケン派”による内部抗争によって龍宮寺は死亡したようです」
「は!?ちょっと待ってくれ。8月3日って2週間後だろ!?12年前の。」
「はい」
「マイキーとドラケンが抗争!?そんなの絶対ぇありえねーよ!!」
「あの二人が仲違いする程の事があったとは考えられない。これは何か裏があるね」
「ああ!」
「調べましょう。今日が7月19日。猶予は2週間!!原因を突き止め、君たちが止めるんです。8月3日、龍宮寺堅を救う!!それが今回のミッションです!!」
「絶対成功させよう」
「うん」
「龍宮寺の死で変わった“佐野万次郎”。稀咲に怯えて自殺した“千堂敦”。巨悪化した現在の東卍に殺された“橘日向”と“宮村望”。このミッションが上手くいけば全員救えます!!」
「ドラケンも、アッくんも、ヒナも?」
「はい!」
「…兄さんも救える?」
「はい!」
「最高じゃない/じゃねえかよ」
タケミチは手を差し出す。
「絶対ぇドラケンを救ってみせるぜ!!」
「お願いします!!」
ナオトと握手すると鈴の音が鳴り、カノの意識が遠退いた…。
✤ ✤ ✤
2005年───東京。
「おーい、カノー?」
「え?」
「やっとこっち見た」
「マイキーくん…?」
ハッとすれば、横からむすっとしたマイキーがカノトの顔を覗き込んでいた。
「さっきから呼んでんのに反応ねーし。ボーッとし過ぎ。何、体調悪いの?」
「い、いえ…。というか、なんでマイキーくんがいるんですか…?」
「はあ?オマエが決められないって言うから連れてきたんだろ」
「(…全然話が見えない。)」
「エクレアのお礼。オレ、オマエに聞いたじゃん。何欲しいか次に会うまでに決めとけって」
.