第24章 約束を破った罰として
「…オレもオマエに…伝えたい事があるんだ」
「!」
「眠るのが怖くても、ちゃんと寝ろ…じゃないとオマエの体が壊れる」
"伝えたい事はそんなことだろうか"と予想外の言葉にキョトンとする。
「それから…髪の横、毎日編み込みしてよ。カノのあの髪型、ふわふわしてて…柔らかくて、好きなんだ」
「はい、約束します」
「あんま露出の高い服も着ないで…男ウケしそうな服装もダメ…オレが…嫉妬するから」
「はい」
「カノと出会って、たくさんの思い出が増えた。まだ見たことない世界を…二人で知るのが楽しかった。きっと、隣にオマエがいたからだ」
「私もマイキーくんが隣にいてくれたからとても楽しかったんです。貴方と二人で見た世界はどれも新鮮で、綺麗だった」
「オマエが助けを求めれば、どこにいようと必ず見つけ出して、オマエを傷付ける奴から守った。どうしてかオマエの声は…遠くにいても聞こえるんだ」
「私が拉致されて傷付けられた時も、場所も分からないのにマイキーくんは駆け付けて、守ってくれましたね。貴方が"助けに来たよ"と言った瞬間、私はとても安心したんです」
懐かしむように嬉しそうに笑うカノを見て、マイキーも同じように微笑む。
「本当は…忘れてなんかない。ずっと覚えてるよ。オマエにあげたプレゼント…オマエの喜ぶ顔が見たくて、オレが作ったんだ。なのに…"記憶にもない"なんて言って、ごめんな…」
「そうでしたか…覚えててくれて嬉しいです」
「今でも大事にしてくれててありがとう」
「マイキーくんから貰った物ですから。大事にするのは当たり前です。それにサプライズされたの初めてなので凄く嬉しかったです」
「その時のカノの喜ぶ顔見て、"あーすげぇ可愛い。天使かよ"って思ったな。」
「!」
マイキーが笑うとカノは頬を赤く染め、それを見たマイキーがまた笑う。
「オレも覚えてる。オマエと過ごした『思い出』も『宝物』も全部。カノがオレに与えてくれた大事なものだから」
「…私はいつも貰ってばかりです」
「オマエには、オレがやれるものなら全部あげてぇの。カノの記憶に…ずっとオレの存在が残るように」
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