第24章 約束を破った罰として

「嘘だ。なら何でオレの傍を離れた。あれだけ離れんなって言ったよな？」



「その事なんですが…分からないんです」



「は？」



「どうしてマイキーくんの傍を離れたのか…覚えてなくて」



「…何だよそれ。からかってんのか？」



「いえ、本気です。だから教えてほしいんです。どうして私がマイキーくんの傍を離れたのか…心当たりがあるなら」



「覚えてないなんて随分都合のいい頭してんだな。そんな見え透いた嘘でオレが許すとでも思ってんのかよ」



ピキっとマイキーの目の下に青筋が浮き上がる。カノが真剣な表情で見ると、小さく舌打ちをし、顔を横に向けて言った。



「オマエの様子が変わったのは中学ン時の文化祭が終わって少し経った頃だ」



「！私の様子が変わった…？」



「急によそよそしくなったり、オレが遊びに誘っても断るし、抱き着こうとすると拒否られて、段々とオレから距離を置き始めたんだよ」



「！？」



「理由を聞いても誤魔化される。なぁ…オレ、オマエに嫌われるような事した覚えねぇんだけど。」



眉を顰め、険しい顔で睨むマイキー。



「気付いたらオマエはオレの前から消えてるし、すげぇムカついて、喧嘩しまくって、それでもオマエへの憎しみは収まらなかった」



「マイキーくん…」



「どう？思い出した？」



「…えっと、すみません」



「は？ここまで教えて何で思い出せねーの？もしかして本当は覚えてるけど知らねぇフリでもしてんのか？」



「違う。本当に覚えてないんです…」



「…はぁ、ほんと何なのオマエ。マジで面倒くせぇな。やっぱりオレの事からかって遊んでるんだろ？」



「マイキーくん！話を聞いて…！」



「もういい。オマエの話なんて聞きたくねぇ」



カチャッと額に銃が押し当てられる。



「…もうお喋りは終わりだ。オマエを殺す」



「…そうですか。私を殺す事でマイキーくんの気が晴れるならどうぞ。」



「！！」



「私は貴方にとって邪魔な存在でしかない。未来でも貴方を苦しめるなら…私はマイキーくんを解放してあげたい」



「……………」



「どうしたんです？殺すなら一思いにやっちゃってください」



「死ぬのが怖くねぇのか…」



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