第24章 約束を破った罰として
「今でもタケミっちと仲良いんだな」
「そうですね。会える距離にいるのでたまに生存確認し合って過ごしてます」
"生存確認…?"とマイキーは不思議そうな顔をした。
「もし今でもタケミっちと繋がってたら、必ずカノも此処に来ると思った。賭けだったよ。でもオレは賭けに勝った。こうしてオマエはオレの前にいる」
マイキーは立ち上がる。
「もし私がタケミチくんと学生以来会ってなかったらどうするつもりだったんですか?」
「どうもしねェよ。来なかったら来ないで別に良かった。違う手段でオマエを呼び出すつもりだったからな」
「(私を呼び出すつもりだった…?)」
どういう意味か分からず困った表情を浮かべていると、マイキーはニコッと笑い、カノに近付いて来る。
「ここに来て兄貴の事思い出したらさ、色んな思い出が溢れてきて、ガキの頃は色んな奴らと殴りあって、わかりあって笑いあって、泣いたりして、そうやって東卍は大きくなっていったんだなぁって…懐かしくなっちゃった」
「マイキーくん…」
「そのネックレス、今でもずっと持っててくれてるんだな」
「当たり前じゃないですか。マイキーくんが初めてくれたプレゼントですよ。それにマイキーくんだって…」
「……………」
そこで言葉を止めた。首に掛けられてるはずのお揃いのネックレスがマイキーの首から無くなっていた。
「…ネックレス、どうしたんですか?」
そう聞くもマイキーは無表情のままで何も答えない。
「身に離さず持ち歩けって言ったの、マイキーくんじゃないですか。もしかして忘れて来ちゃったんですか?」
「捨てた。」
「え……?」
さっきまで楽しく話していたのに急にマイキーの雰囲気が変わり、冷たい声にピシッと固まる。
「捨てたって…どうして…」
「もうオレには必要ないと思ったから」
「!」
「オマエとの繋がりを断ちたかった。その為には余計な物を捨てるのが一番手っ取り早い。そしてもう一つ…完全にオレとオマエの繋がりを消す為に…こうする事に決めた」
カチャ
突きつけられたものに目を見張る。
前に見た夢の中でも白髪のマイキーに"冷たい感触"を額に突き付けられた事があった。
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