第24章 約束を破った罰として
「マイキー…くん…」
そこには…
あの頃と変わらない目をした
マイキーくんがいた
「(会えた…。本当に…マイキーくんだ。)」
ピンクゴールドの髪は黒く染まり、肩くらいまであった髪はバッサリと切られ、センター分けになっている。
「あの…」
さっきまでこれを話そうあれを話そうと思っていた事が本人を目の前にすると真っ白になり、言葉を詰まらせる。
「マイキーくん…」
「ウン」
「マイキーくん」
「なぁに」
「っ…マイキー…く…ん」
「はは、何回呼ぶんだよ」
マイキーは可笑しそうに笑う。それを見たカノはじわりと目頭が熱くなる。
「カノ」
マイキーに名前を呼ばれ、それすらも嬉しく感じた。
「すげぇ美人になったね。そっちの姿で会うの初めてだから正直ビビった。髪も伸びて、化粧もして、服も女らしくて、相変わらず可愛くてビックリしてる」
「っ…………」
「眼鏡掛けたの?目、悪かったっけ?」
「…いえ、伊達です。掛けないと未成年に間違われる事がたまにあるので一応…」
「髪のヨコは?編み込みしてないの?昔はたまにしてたじゃん」
「あれは…マイキーくんに会うからしてただけで…今はしてないです」
「ふーん。"オレに会うから"してたんだ?」
「そ、そうですよ…マイキーくん、編み込み気に入ってたっぽいので…したら喜ぶかなって」
「うん、あの編み込みすげー好き。カノに似合ってたし、可愛いんだから今もすればいいのに」
「あ、ありがとう…ございます…」
久しぶりにマイキーに褒められた事で頬が赤みを帯びる。それを見たマイキーが小さくクスッと笑う。
「褒めるとすぐ照れるのは相変わらずだな。けど目の下に薄いクマ。ちゃんと寝なきゃダメだろ?」
「えっと…あまり寝付けなくて。それに…眠るのが少し怖いんです」
「オレが添い寝してやろうか?」
「ふふ、マイキーくんも相変わらずですね」
「カノの笑った顔、久しぶりに見た。やっぱり笑うと可愛いね」
「褒め倒すのやめてください…」
「また赤くなった。ホントすぐ照れる。」
マイキーにからかわれ、むっと顔をしかめた。
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