第24章 約束を破った罰として
「それが今回の失敗の原因かも知れないと?」
「…分からない。でも本当に私が傍を離れた事でマイキーくんが自分を見失ったとしたら…彼が殺人を犯したのも私のせいなのかも」
「カノちゃん…」
「もしそうならごめんタケミチくん。私のせいでこんな最悪な未来に繋がった。ヒナちゃんを救えなかったのは私が…」
「やめろよ」
「タケミチくん?」
「オマエが言ったのは可能性の一つだろ?まだ真相も分からねェのに"自分のせいだ"って決めつけンな。一人で勝手に自己解決しようとすんなよ」
「でも……」
「仮にだ。もし本当にオマエがマイキー君の傍を離れた事が今回の失敗に繋がってるんだとしても…オレはオマエを責めねぇ。ヒナが死んだのもオマエのせいだとは思わねェ」
「タケミチくん…」
「だからさカノちゃん。そんな泣きそうな顔しないでよ。せっかくの美人が台無しだぞ?」
「うん…ありがとう」
「やっぱカノちゃんは笑顔が一番似合うな!」
「ふふっ」
さっきまで真剣な表情だったのに今はもういつものタケミチに戻っている。その優しい心遣いに思わず笑みが溢れた。
「タケミチくん、さっきから手に持ってるその写真…どうしたの?」
「コレ?最後にマイキー君達と写真撮っただろ?その写真だよ。見る?」
「うん」
"はい"と写真を渡される。
「上手く撮れてるだろ?」
「カメラマンの腕がいいのかな」
「まあな!実はオレもそう思う!」
「冗談だけど」
「持ち上げといて急に落とすのやめて!?」
"えっへん"と鼻を高くし、腰に手を当てたタケミチにニコッと笑って冗談だと告げれば、ガーン!!とショックを受け、肩を落とした。
「…タケミチ君、その写真…どこにあったんですか?」
「どこって…そこのコタツの上に…」
「!」
「……あ!!手紙!写真…この中に入ってたのか…?」
「その手紙ちょっと見せてください!」
「え?」
何かに気付いたナオトは手紙を見る。
「消印…日本じゃない…フィリピン!!この手紙…誰が出したんですか!?」
「フィリピン…」
「マイキー君だ」
二人は顔を見合わせた。
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