第24章 約束を破った罰として
「(マイキーくんが私を殺す?)」
その瞬間、何故か夢の中で会った白髪のマイキーを思い出した。黒く塗り潰された世界で感情を無くし、死んだような目をした彼は…逃げようとしたカノの首に手を伸ばして捕まえ、殺そうとした。
『そうやってまたオレから逃げんのか?』
『だからオマエはオレの傍にいない』
『もう…信じられねーよ』
『だから…オレの為に───死んでくれ。』
押し倒されて額に拳銃を突き付けられ、最後にそう言い残した彼は…冷たい目で引き金を引いた。
「(夢で会った彼は…きっと『間違った道に進んでしまった』マイキーくんだ。私を憎らしげに睨み、冷たい目で殺そうとした。いや…もしかすると私はもう死んだのかもしれない。彼が手にしたあの銃で…『夢の中で』。命を落としたのかもしれない…。)」
ギュッと掌を握る。
「…………。マイキーくんがみんなを殺すなんて、やっぱり信じられないよ。」
「ナオト…本当にマイキー君がやったのか?」
「二人は何か心当たりはありませんか?」
「え?」
「今回のタイムリープで手に入れた情報、その中に必ず手掛かりがあるはずです。少なくとも過去で君達が何かをした事で現代(いま)が大きく変わったんです」
「…『オレ達がした事で』って…オレ達が失敗したって事か?」
「過去で私達が何か失敗したから、現代(みらい)はこんな最悪の形に変わってしまったの…?」
「オレは東卍を狂わせた2つの存在を過去で排除できたんだ。黒龍は潰したし、稀咲を東卍から追放できた!それにマイキー君が間違った道に進まないようにカノちゃんはずっと傍で支え続けた!だから闇堕ちだって防げたんだ!全部うまく行ったはずなのに!!!」
「…タケミチ君」
「何がいけなかった?オレが…『マイキー君は一人でもやれる』なんて言ったのがいけなかったのか?」
「タケミチくんのせいじゃないかもしれない」
「どういう事だ?」
「…私がマイキーくんの傍を離れたって事も一つの可能性としてはあり得る」
「!!」
「約束したの。何があっても絶対にマイキーくんの傍を離れないって。でももし…私が約束を破って、マイキーくんの傍からいなくなったとしたら…?」
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