第24章 約束を破った罰として
「マイキーくんは!?彼は無事なの!?まさか殺されたって事はないよね!?」
「……………」
「ナオト?なんで何も言わねぇんだよ…?」
タケミチの顔にも焦りと不安が交ざった様な色が垣間見える。
「心して聞いて下さい、2人共。現在、一連の殺人の容疑者として指名手配されているのが、佐野万次郎です!!」
「!?」
ナオトは一枚の写真を二人に見せる。そこには後ろ首にタトゥーを入れた長い黒髪のマイキーが写っていた。
「……は?テメェふざけんのも大概にしろよ?そんなワケねぇだろ…!?マイキー君がみんなを殺すなんて絶ッ対ェねぇだろ!」
「(マイキーくんが…みんなを殺した…?誰よりも東卍の事を想っているあの人が…あんな残忍な方法でみんなの命を奪ったと云うの…?ねぇ教えてよマイキーくん…一体何が真実なの?本当に貴方がみんなを殺したの?嘘だよね?)」
ズキズキと痛み出す頭を片手で押さえる。全く訳が分からなかった。カノの肩を支えるタケミチの手も震えている。
「マイキーくんは…絶対に仲間を殺したりしない。たまに周りの声とか聞こえなくなっちゃう時もあるけど…本当は優しい人なの!私が助けを求めたら、どこにいても必ず見つけ出して、どんなに相手が強くても絶対に守ってくれる人なの!そんな人が…みんなを殺すなんて…絶対に何かの間違いだよ…ッ!」
目尻に涙を溜め、絶対にマイキーは仲間を殺したりしないと信じて、ナオトに叫ぶ。
「カノさん、ボクも真相が知りたい。佐野万次郎に会って話を聞きたい。きっとタケミチ君よりも貴女が適任です。貴女じゃなきゃ、ダメだと思います」
「!」
「彼の恋人であり、どんな時でも佐野万次郎という存在を傍で支え続け、彼が道に迷った時には道標としての役割を請け負い、そして…彼が唯一どうしても手放す事ができなかった貴女は…今もこうして生きています」
「確かに…マイキー君なら真っ先にカノちゃんを殺しに来そうだけど…でも殺されなかったって事は…」
「一度は貴女を殺す事を考えたのかも知れない。でも自分が愛した人は…殺す事ができなかったんです」
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