第24章 約束を破った罰として
「(絞殺…首を締められて、三ツ谷くんは殺された…?)」
体の力が抜けたようにドサッとその場に座り込んだ。
「カノさん!」
「カノちゃん!」
側にいるナオトと慌てて駆け寄ったタケミチに体を支えられる。カノはタケミチの服をギュッと握り締めた。
「ヒナちゃんは…?」
「!」
「ヒナちゃんは生きてるでしょう…?」
「っ……ヒナも……事故で……っ」
「…どうして…こんな未来になったの…?兄さんも三ツ谷くんもヒナちゃんも…何らかの形で命を落としてる…私達が過去でしてきた事って…何だったの…っ」
潤んだ瞳は視界でぼやける。
「あの時と同じだ。何も変わってない。結局オレ達は何も変えられなかったんだ…!!」
「(変えられなかったから"この未来に辿り着いた"…。聖夜決戦で大寿は死ななかった。稀咲と半間も東卍から追い出せたのに…何が間違っていたと言うの…?)」
「タケミチ君はこれまで姉さんを助ける為、カノさんはお兄さんを助ける為、何度も過去にタイムリープしてきましたね。今回の現代(みらい)はこれまでで最悪です」
"これまでで最悪"
その言葉に心臓がドクンッと嫌な鳴り方をする。ナオトの話の続きを聞くのが正直怖かった。そんなカノの心情を知らず、ナオトは話を続ける。
「姉さんとカノさんのお兄さんが助かっていない事はもちろん、東京卍會の主要メンバーは…全員殺されました」
「っ!?」
二人は余りの衝撃に驚いて目を見張る。
「松野千冬、射殺。柴八戒、焼殺。三ツ谷隆、絞殺。龍宮寺堅、斬殺。羽宮一虎も林田春樹も他のメンバーも全て、殺されました」
耳を塞ぎたくなる程の残酷な未来だった。タケミチが体を支えてくれているおかげで倒れずに済んだが、ナオトの話を聞いただけで意識を失いそうな程の気持ちの悪さだ。
「稀咲ですら殺されてます」
「…稀咲も!?」
「一体…何が起こってるの…」
「犯人は捕まってません。どこにいるか手掛かりすらない」
「(その犯人がドラケンくん達を残忍な方法で殺し続けた。なんて惨い事を…。!、そうだ…あの人は!!)」
カノはハッとしてナオトを見た。
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