第23章 変わらなかった世界
「受けたくもねー授業で寝らんなくて疲れてンの。カノとちゅーして癒されたい」
「誰かに見られたらどーするんです」
「誰も来てねーじゃん。その為にこんなとこまで連れて来たんだっての。な?ぎゅーって抱きしめながらちゅーしよ」
「…もう、本当に仕方ないですね」
「やった♥」
マイキーはぎゅっとカノトを引き寄せ、お互いに顔を近付けた。
✤ ✤ ✤
「吾妻〜!帰りにゲーセン寄ってかねー?」
「おーいいよ。」
「職員室に用あるから先に外で待ってて!」
「リョーカイ」
「そーだ。女子共が待ち伏せてると嫌だから階段脇にある裏口使えよ。そっから生徒玄関まで早く行けっからさ」
「(へぇーそんなのあるんだ。知らなかった。確かに最近待ち伏せされてるもんなー。えーと…階段脇の裏口って言ってたよな?)」
鞄を持ち、教室を出た悠生は教えてもらった裏口の扉を開け、生徒玄関に向かう事にした。
「(人気なさそうな場所…。サボりたい時に使えるかもな。)」
そんな事を考えながら歩いていた時…。
「!」
ふと目に入った地面に映る二つの人影。普段なら気にせずスルーするが、悠生は何故か気になってしまい、そこに近付き、顔半分をひょっこりと曲がり角から出して、覗いた。
「っ………」
その途端、息を呑む。
驚いて見張った目に映ったのは、カノトとマイキーが抱き締め合いながら、お互いに唇を重ねている瞬間だった。
「────………」
悠生はそれをじっと見つめている。二人のキスを見て彼は何を思ったのか。それは本人にしか分からない。だが少なくとも、良い気分ではない事は確かだった…。
✤ ✤ ✤
「……ん……はぁ……」
「もっと」
「やっ…これ以上は…んんっ…」
「可愛い。ホント可愛いな、カノは。何でそんなに可愛いの?」
「し、知りません…」
「顔真っ赤にしちゃって…かーわいっ」
「んッ!……ぁ……はっ……んぅ……ッ」
「あーえっろい。その顔やば…。涙潤ませて…キスも感じて…はぁ…ヤりてぇ。」
「ヤ……ッ!?」
「すげぇヤリたい。抱きたい。でも誕生日まで我慢するって決めたからガマンする…」
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