第23章 変わらなかった世界
「…どうしているんです?」
「我慢できなくて会いに来ちゃった☆」
「…ビックリするじゃないですか」
「だって暇だったし。つまんねー授業受けるより大事なカノジョに会いに行った方が絶対にいいだろ。それとも…カノは早くオレに会いたくなかった?」
「…会いたかったに決まってます」
「メールだけじゃ寂しかったもんな?」
「それはマイキーくんも同じでしょう」
「ん…カノに会えなくてすげー寂しかった。だからぎゅってさせて」
「はい…」
優しく笑んだマイキーが両手を広げ、寂しさを埋めるようにカノトを抱きしめる。
「(やっぱりマイキーくんに抱き締められるの、すごく安心する。)」
ぎゅぅっと背中に手を回し、抱き締め返す。ドキドキする気持ちと共に会えた嬉しさで顔が緩み、ふふっと笑う。
「マイキーくん、あったかいですね」
「カノも相変わらずあったけぇな」
「抱き締めてるからですかね」
「もっとぎゅーって抱きしめていいよ。オレが大好きで仕方ねぇってくらい、強く抱きしめて」
「マイキーくんも私が大好きで仕方ないってくらい、強く抱きしめてください」
「オレが強く抱き締めたらカノが窒息しちゃうかも」
「!」
「オレは"大好き"なんて気持ちは追い越して、"愛してる"って気持ちの方が強いから、"カノ愛してる、すげー好き、ぎゅ〜っ!!"ってカンジで力加減間違えて抱き潰しそう」
「あ、愛…」
「分かりやすく照れてる。ホンットすぐ照れるよな〜。そんなに恥ずかしいこと言ってねーんだけど?」
「は、恥ずかしいものは恥ずかしいんです…!その…愛してる…なんて…言われ慣れてないので嬉しさ反面、恥ずかしさでどんな顔をすればいいのか…」
「はぁ〜可愛い!オレの恋人すげー可愛い!照れ顔も写メりたいくらい好き!」
「声が大きい!誰かに聞こえたらどうするんです…!」
「やっぱガッコウ違うと会える時間も少ねーなぁ。オレはもっとお前に触れてぇのに」
手を取られ、指先にちゅっとキスを落とされる。
「ま、マイキーくん…!」
「カノ、ちゅーしようよ」
「だ、駄目に決まって…」
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