第23章 変わらなかった世界

「そ…そうだ！電話、出られなくてごめん。ちょっと手元に携帯がなかったんだ」



「別にいーよ。大した用じゃなかったし。でもさカノト。」



「？」



「そいつとめっちゃ楽しそうだったね」



ギクッと体が跳ねる。



「そ…そう？別に普通だったと思うけど。」



「…笑顔、引き攣ってるよ」



「！！」



「友達なの？あいつ。」



「友達…えー…あー…そう…トモダチ。」



「(めっちゃキョドってんじゃん。)」



「仲がいいんだ。あの人とは。」



「他校の人だよな？同い年？」



「…年上。」



「！てコトは…"他校の先輩"？」



「そうなる、かな…」



「ふぅ〜ん」



「(絶対に怪しんでる…!!)」



「なぁ宮村！めぐたん文化祭来てくれるって!!さっきメールしたら返事来た!!」



「お、おお！良かったね！」



ナイス我が友人…!!



「でも俺のメイド…めぐたん見たらきっと幻滅するよな…」



「落ち込まないでよ。めぐたんさんならきっとどんな君でも好きだって言ってくれるよ」



「宮村!!」



感動した友人にガシッと手を握られた。



ﾋﾟﾛﾝ♪



「！」



メールが届き、携帯を開く。



「(マイキーくん！)」



自然と笑みが溢れた。その顔を横で見ていた悠生が驚いた表情を浮かべている。



「(まただ。あんなに嬉しそうな顔…。よっぽど大好きなんだな、その恋人。でも…ちょっとは俺にも向けてくれてもいいじゃん。)」



机に頬杖を付き、むすっと顔をしかめる悠生とは逆に嬉しそうな顔で微笑むカノトはマイキーから届いたメールの文章を読む。



"暇〜。授業つまんねーの。構って。"



「(あのマイキーくんが寝てないなんて。)」



"寝てないなんて珍しいですね？"



"今日寝付き悪ぃの。いつもはすぐ寝れんのに。授業も何言ってっか分かんねーし。"



"こっちは今、文化祭の出し物が決まったところです。"



見つからないように膝の上でぽちぽちと返信を打つ。



"文化祭？あーもうそんな時期かー。そう言えばオレのクラスでも文化祭の話し合いしてたような気がする。"



「(マイキーくん達のクラスは何をやるんだろう？)」



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