• テキストサイズ

BRAVE You’re HERO【東リべ】

第22章 吾妻悠生



バイクに乗り、隣町にある大きな遊園地に到着した二人。そこでテンションが上がったマイキーが"アレに乗りたい!!"と指を指した方に顔を向けた。



「ジェットコースター……」



「めちゃくちゃ楽しそうだろ!」



「一発目に絶叫系はナシです!!」



「一発目も二発目も一緒だって!な?乗ろ!あのてっぺんから一気に急加速する瞬間なんて絶対にやべえって!」



「やばいのは最初の一発目に絶叫系を持ってくるマイキーくんの思考です!!」



遊園地に来れば多くの人が乗りたいと思うジェットコースター。急匂配や角度の付いたカーブするレールの上を高速で駆け抜け、時には一回転をして、天地逆転するスリルを味わいながら一周するアトラクションだ。



「めちゃくちゃ怖そうなんですが…!?」



「ならオレと手繋げば怖くねぇだろ」



「!」



「お前が怖くて泣かないようにギュッて繋いでてやるよ。それなら平気だろ?」



「べ…別に泣きません!」



「え〜でもカノ泣き虫じゃん。オレがえっちなことすると涙浮かべ…」



「わあああ!!ストップ!!」



「むぐっ」



真っ赤になったカノトが慌ててマイキーの口を手で塞ぐ。



「分かった。分かりました。乗ります。一緒に乗りますから…そういう言葉は控えてくださいっ」



「周りに聞かれるとカノがえっちな奴だってバレちゃうかもしれないもんな?」



「マイキーくん…!!」



コソッと耳元で囁いたマイキーが意地悪そうにニヤリと笑って言った。



それから二人はジェットコースターに乗り、震えるカノトの手をマイキーはギュッと握る。"絶対離さないでくださいね!?"と言うカノトに対し、その反応が可愛いのか、ニコニコと笑うマイキーが"大丈夫だって♪こうして離さないように握ってんじゃん"と繋がれた手を見せる。



「(うう…怖い。人生初のジェットコースター…既に泣きそう。)」



安全装置を下ろし、しばらくして車台が発車し、最初はゆっくりとてっぺんまで引き上げられ、そしててっぺんに差し掛かった時、急な坂を一気に高速滑降した。その瞬間、カノトは蒼白させた顔面を引き攣らせ、マイキーと繋いだ手をギュッと握り締め、男装中なのも忘れ、悲鳴を上げて叫んだ。



.
/ 1256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp