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BRAVE You’re HERO【東リべ】

第1章 タイムリープ



「…ニュース見た?」



「ニュース?例の東京卍會?」



「うん」



「さぁ…最後までは見なかった」



「…橘日向が、死んだ」



「!」



駅に向かう途中でタケミチにそう告げられたカノは驚いた顔を浮かべる。



「え…ヒナちゃんが?」



「…………」



「…そう。…ヒナちゃんも、か。」



「カノちゃん…」



「なんで…一番いなくなってほしくない人に限って、消えちゃうんだろうね」



カノは悲しげに空を見上げる。その空気を変えるようにタケミチは話題を逸らす。



「そういえばカノちゃん、今日は仕事休みなのか?看護師って忙しいんだろ?」



「久しぶりの休みだよ。それまでめちゃくちゃ忙しくて寝る暇もなくてさ」



「そんな貴重な休日をオレで使っていいの?」



「友達は大事にしないとね」



パチンッとウインクをする。



他愛ない会話を交えながら、新宿駅に到着した。切符を買ってホームで電車が来るのを横並びで待つ。



「タケミチくんも大変そうだねー」



「6歳も下の店長からバカ扱いだからな。毎日ヘコヘコ頭下げて謝ってるよ」



「私も似たようなものだよ」



「カノちゃんも?」



「タケミチくん家に来る前、しつこいナンパ男に捕まっちゃってね、断ってんのにどこまでも着いてくるの」



「カノちゃんそういう男嫌いだもんな。で?その後どうなったん?」



「向こうが下品な事ばっか言うからこっちも言い返したわけよ。そしたら逆ギレして胸ぐら掴まれた」



「げっ、カノちゃんに喧嘩売ったのかよソイツ。バカだなー」



「さすがの私もぷっちんきちゃってね、思いきり背負い投げてやったら一発で気絶した」



「うわぁー…」



「しつこい男は良くないね」



ふふっと笑う。そんなカノを見てタケミチは言った。



「カノちゃんさ…こうして見ると本当に女の子だったんだな」



「えー?今更?」



「だって学生時代は男装してただろ。初めて会った時どこぞの美少年かと思ったわ」



「そんなに?」



タケミチは力強く頷く。



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