第22章 吾妻悠生
「吾妻悠生でーす♪今日からキッチン担当させてもらいます。つーか宮村君、女っぽい顔してんな?」
「はは…よく言われます」
「中学生?」
「中二です」
「お、ホント?なら俺とタメじゃん♪敬語使わなくていいよ。なんならカノトって呼んでもいい?」
「あ、うん。というかめぐたんさん…また中学生を雇ったんですか…」
「だって悠生君イケメンなんだもーん♥」
「カノトの方がイケメンですよ。実際モテるっしょ?」
「どうかな。悠生くんの方がモテると思う」
「またまた謙遜しちゃって〜☆俺から見てもカノトすげぇイケメンだって!なんつーの?美人系?とにかくカッコイイ!」
「ありがとう」
「(ここまで褒めても全然嬉しそうな顔しないな。話し方も中学生にしては大人っぽいっつーか…)」
「じゃあみゃーむら君♥悠生君♥今日はよろしくねぇ♪まだ開店まで時間があるから休憩してていいよぉ」
"はい"と返事をするとめぐたんは厨房から離れ、他の準備に行ってしまった。
「めぐさん可愛いよなー」
「そうだね」
「彼氏いんのかな?」
「いるよ」
「何でカノトが知ってんの?まさかお前がめぐさんの彼氏?」
「いや、僕の友達の彼女さん」
「あー…やっぱいるよなぁ。」
「…狙ってたの?」
「いんや。めぐさん可愛いけどなーんか裏の顔ありそうじゃね?」
「(笑顔でバッサリ切り捨てるなー。まぁ彼女は"あれ"が本性じゃないからな。)」
「カノトさぁ」
「何?」
「ホント綺麗な顔してンな。男なのがザンネーン。」
「どういう意味?」
「女だったら即惚れてんのに」
「!?」
「このネックレスもカワイ…」
「触らないで。」
「!」
ネックレスに手を伸ばそうとした悠生に思わずキツい言い方をしてしまう。それに目を丸くさせて驚いた悠生を見て、罰が悪そうに頭を軽く下げて謝った。
「…ごめん。今の言い方は良くなかった。本当ごめん。でもこのネックレスはとても大事な物なんだ。だから触らないでもらえると助かる」
マイキーとお揃いのネックレスをギュッと握り締めて言った。
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