第22章 吾妻悠生
「みゃーむら君、本当にアリガト♥ホールの子が急にお休みになっちゃって代わりの子を探してたんだ〜」
「いやぁ…ハハ…」
「チャッピーに代わりに誰か出てくれないかなーてお願いしたらみゃーむら君がお手伝いに来てくれるって知って、めぐ嬉しい〜♥」
「まさか僕も代役を頼まれるなんて思ってもみなかったです」
『頼む宮村!!めぐたんのピンチなんだ!!ホールの子が休んじまったらしくて代わりに出てくれる子を探しててさ!!悪いけど手伝いに行ってやって来んねーかな!?』
『えぇ…何も僕じゃなくても…』
『馬鹿野郎!!前回のお前の活躍でビックリするほど店の売上が伸びたんだぞ!!それにお前がいれば自然と女の客がわんさか入ってくる!!』
『でも今日は帰って予習を…』
『頭の良い奴が勉強ばっかしてんじゃねえ!!少しは休息を取れ!!めぐたんの店はお前を必ず癒してくれる!!』
『いや休憩の意味…』
『とにかく一生の頼みだ!!めぐたんを助けてやってくれ…!!』
めぐたんからのSOSを受け取った友人は真っ先にカノトの元へ走り、スライディング土下座で頼み込んだ。その友人の気迫に負け、つい承諾してしまい、今に至ると云うわけだ。
「そうだみゃーむら君。今日からキッチンで働く子を紹介するね〜」
「新しい人、入ったんですか?」
「そぉ〜なの〜♥実はキッチンも人手不足で募集掛けてたんだけど〜カッコイイ子が入ってくれたんだぁ♪みゃーむら君みたいにすごぉーくイケメンなの♥」
両頬に手を当て、嬉しそうに笑うめぐたんの後に続いてキッチンを訪れる。
「悠生くぅ〜ん!ちょってこっち来てぇ〜!」
「なんスか?」
「!」
厨房から出てきたのは高身長の金髪美男子。モデルかと思うほどのスラッとした体型に、声も俗に言うイケボという部類に当てはまる。
「(うわ、背高。正直男装中の私よりモテる顔。これは一発で女の子達が惚れるな。)」
「誰ですかこの人?」
「かぁっこいいでしょ?みゃーむら君って言ってね、たまにお店がピンチの時にお手伝いをお願いしてる子なの〜」
「"みゃーむらくん"?」
「宮村心叶都です」
ぺこりと頭を下げる。
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