第21章 隠さない独占欲
「見えるって言ってるのに!何度も同じ場所に残したら消えないじゃないですか!」
「消えねぇ為に残してンの。オマエはオレのモンだっていう証だ。何回も同じ場所吸ってたら本当に消えなくなるかもな♥」
「せめて見えない所に付けてください…」
「見えるところに付けるから効果あンだろ。コレ見た男共が"あ、恋人いるんだ"で済めば、オレとしては安心だし」
「(私としては見つかると色々厄介だから言ってるんだけど…)」
「それともカノもオレに付ける?」
「え?」
「キスマーク。」
「っ!?い、いやッ別にいいです!!」
「どこに付けてもらおっかなー」
「人の話聞いてます!?」
「あ。せっかくなら同じ所に付けてもらお。ここの首ンとこ。」
「やっ!付けないです!」
ぐいっと手を引っ張られ、そのままマイキーの膝の上に乗せられる。急に距離が近くなり、慌てて離れようとするが腰に回った両手がそれを許さない。
「マイキーくん…!」
「ちゅーできそうな距離」
「ね、ねえ!話を聞いてください!」
「何?」
「つ、付けないですって言ってます…」
「うん、言ってるな」
「じゃあ…」
「でもダメ。」
「何でですか!?」
「オレにも痕、付けてほしいから。オレがオマエのモノだって言う証、ちょうだい?」
優しく微笑まれ、何も言えなくなる。
「マイキーくんはちょうだいばっか…」
「ぷくーって頬膨らましてんの可愛いね」
「……………」
「拗ねた顔も可愛い〜♥」
可愛い可愛いとふにゃりと緩めた顔で笑い、機嫌が良さそうにギュッと抱きしめられる。
「付け方…分からないです」
「さっきのオレの真似して」
「それが分からないから聞いてるのに…」
「ちゅぅぅって強く吸うだけ。」
「(教え方大雑把…)」
Tシャツの襟元に指を引っ掛け、ぐいっと下に引っ張るマイキー。
「はい、ドーゾ。」
「("ドーゾ"と…言われても…)」
「試しに一回、強く吸ってみ」
「……………」
白い肌が目の前に晒され、ドキドキと鼓動が速くなる。恥ずかしさで硬直していると、急かすようにギュッと力が込められた。
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