第21章 隠さない独占欲

「オマエの頬も、この綺麗な顔も、全部オレのだ。オレしか触れたらダメなんだよ。なのに…簡単に触られてんじゃねぇ…カノの馬鹿。」



「マイキーくんまで馬鹿って言った…」



「オマエはオレのモノなんだろ？だったらちゃんとオレのモノだっていう自覚持て。あまり好き放題触らせてると…マジでオマエを───」



「マイキー…くん？」



「………。そうやって可愛い顔見せてるから他の男が寄って来ンだよ。男装してんならちゃんと男らしく振る舞え。女の雰囲気出してんじゃねぇ」



「出してるつもりは…」



「"ない"？気付いてねーかもしんねェけどさ…人と話してる時、たまに素のオマエが出てるんだよ。誰彼構わずにこーって笑いかけやがって。オマエの笑顔は破壊力抜群なんだから手加減しろ！」



「は、はあ…？笑顔を手加減しろって意味が分かりません！そもそも誰彼構わず笑いかけたりしませんよ！」



「無意識に出してんだよ！」



「私だって嫌いな相手までに笑顔を振り撒くつもりはないです！」



「オレだけに笑いかければいいじゃん！」



「どうしてマイキーくんはまたそういう我儘を言うんです…！」



「オレ以外の男がオマエに触れんのがすげぇ嫌なんだよ!!」



「そんなこと言ったって仕方ないでしょう!?生きていれば男の人とだって手が触れ合う場合もあります！」



「は…？どうしたら手が触れ合うんだよ？なぁ、本気で浮気したらどうなるか分かってるよな？」



マイキーの目に暗い影が差す。上手く伝わってない事に苛立ちが募り、怒り任せにマイキーに質問を投げかける。



「じゃあ聞きますけど！もしマイキーくんの横を通り過ぎようとした女の人が何かに躓いて転びそうになったらどうしますか!?」



「そりゃあ…危ねぇって思って、助ける。」



「どうやって？」



「手伸ばして腕掴んで……あ……。」



「…そういう事ですよ、私が言ってるのは。そういう状況になったら咄嗟に手が出ます。だから"他の男と触れ合うな"は無理です」



「だとしても…やだ。オマエが…オレの大事な女が、他の男に触られんの、やだ…」



「……………」



子供のように駄々を捏ねるマイキーに溜息を吐く。



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