第20章 望んだ未来の"もしも"の話
「っ…………」
突然勢い良く開いた扉に驚いた。そこには携帯片手にボサボサの髪をしたマイキーがいて、彼はカノトを見た瞬間、目を丸くさせて言葉を失っている。
「びっくりしました。そんなに急いで来なくても良かったんですけど…」
「……………」
「?マイキーくん?あの…似合わない、ですか…?」
「…は?似合わないワケねぇじゃん。つーか本当に着てくれるとは思わなかったからびっくりしてんの…!!何それすげぇ可愛い!!」
「あ、ありがとうございます。そう言ってもらえると着た甲斐があります」
「マジで可愛い…っ」
頬を微かに染めたマイキーが着飾ったカノトを見て、可愛さで直視できずにいた。
「更に好きになんじゃん!!その着物も可愛いし、髪に付けてるソレも可愛い!あとブーツも可愛い!全部可愛い…!」
「マイキーくん少し落ち着いて…」
「ぎゅーってしたい!!」
ガバッと抱き着いてきたマイキーの勢いに倒れそうになるも何とか堪える。
「オレの為に着てくれたとか優しすぎ。おかげで一気に眠気が吹き飛んだ」
「…満足してもらえました?」
「んー…まだちゅーしてない」
「ここをどこだと思ってるんですか。おうちの人に見られたら困るのでダメです」
「じゃあオレの部屋でちゅーしよ」
「今日はお邪魔する予定ないです。着物を見せに来ただけなので」
「やだ。」
「やだと言われても…」
「いっぱいちゅーしたい!ぎゅーってしてイチャイチャしたい!せっかくオレの為にお洒落してくれたのにすぐ帰るなんてそんな寂しいこと言うなよ〜!」
「大きな声出さないでください…!」
駄々を捏ねるマイキーは嫌々と云うように抱き着いたまま首を振る。こうなるとマイキーはいいと言うまで離してくれない。
「何もしないよ?あまりの可愛さに襲ったりしないから安心してオレの部屋行こ?」
「嘘くさいんですけど」
「あ!でも着物脱がせちゃえば出来なくもな…」
「朝から何を想像してるんですか!!」
「別に強引に着物脱がせてベッドに押し倒してえっちな事したいとか思ってないよ?ちゅーくらいはするかもしんないけど」
「安心とは??」
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