第20章 望んだ未来の"もしも"の話
「ふーん…オレには見せられないんだ。まさか…"マイキーくんと別れられますように"とか書いてないよな?」
「書くわけないじゃないですか」
「あ、それとも"マイキーくんともっとイチャイチャできて、ハグもキスもたくさんできますように!"とか?」
「そんなこと神様にお願いできません!!」
「じゃあ何て書いたのか教えろ!」
「ちょっ!!無理やり奪おうとしないで!?」
むぅ〜っと頬を膨らませたマイキーが強引にカノトの手から絵馬を奪おうと手を伸ばす。それを見ていたドラケンが溜息を吐き、面倒くさそうに二人に言った。
「こんな時でもイチャつくのかよ。オマエらもう結婚しちまえばいいんじゃねーの?」
「ドラケンくん!?何を言い出すんです!?」
「結婚…?」
ハッとしたカノトはマイキーを見た。ドラケンの言葉を真に受けたマイキーは手を唇に当て、何やら考え込んでいる仕草を取る。
「いいなそれ…。結婚したらずっと一緒にいられるし、朝から晩までオマエを独り占めできんじゃん!ケンチン天才!!」
「ドラケンくんが変なこと言うからマイキーくん本気にしちゃったじゃないですか!!」
「あー…マイキー?今のは冗談…」
「結婚かぁ〜♪カノにアレしてもらって、コレもしてもらって…」
「アレとかコレって何!!?」
「すげぇ楽しそう…!!」
「ちょっとマイキーくん!?僕で変な妄想しないでください!?」
マイキーはキラキラとした曇りなき眼でカノトとの結婚生活を妄想していた。その中にはきっと人前では言えない妄想も含まれている。
「カノ…」
「!」
すると突然マイキーがキリッとした真剣な顔でカノトを見る。
「オレとずっとイチャイチャしたいよな?」
「え……」
「朝から晩までオレを独り占めしたいよな?」
「いや…その…」
ニコニコと笑うマイキーが有無を言わせないような声でカノトに迫る。
「オレとけっこ……」
「待ってー!!オレの絵馬あああ!!!」
「!」
マイキーの言葉を遮るように聞き覚えのある声が響いた。
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