第20章 望んだ未来の"もしも"の話

「エマに言われなくても大丈夫だし。それにカノは優しいからオレがどんだけ我儘言って困らせても、大抵の事なら聞き入れてくれんだよ」



「早速困らせてるじゃん！」



「あの二人とも兄妹ケンカは…」



「オマエも面倒くせぇのに好かれたな」



「あはは…。」



「…なぁ、カノ。違かったら否定してくれてもいいんだけどさ…」



「何ですか？ドラケンくん」



「オマエ、実は本当に女だったりする？」



「ち…がいます、よ。」



「咄嗟に目逸らすなよ。"そうです"って言ってるようなもんじゃねーか」



「いや…急に不意を突かれたので心の準備ができてなくて思わず逸らしちゃいました」



「てコトは…マジなのか？」



「…まぁ、はい。」



「道理でたまに女っぽい喋り方すると思った」



「え"………」



「自分で気付いてねェの？オマエ、オレらといる時も女みてぇな雰囲気出てンぞ。笑い方とか仕草とかな」



「…よく見てますね、ドラケンくん」



「オマエらの事は気に掛ける様にしてっからな。なんつーか…自然と目がいっちまうんだよ」



「一応気をつけているんですけど…最近どうも気が緩んでるせいか、素に戻っちゃう事が多いんですよね」



「オマエどこかふわっとしてるもんな。オレ以外にも案外バレてんじゃねェの？」



「遠回しに気が抜けてるって言ってます？…まぁ、既に何人かにはバレてますけど…」



「マイキーは知ってんだろ」



「はい。後は…タケミチくんと千冬くん。」



「あ？あいつらにもバレてんのかよ？」



「(タケミチくんは違うけど…)」



「オマエら仲良過ぎねェ？」



「いやぁ…ハハ。そういう訳なのでドラケンくん…この事はどうか他の人にはご内密に…」



「あン？言うわけねーだろ。オマエが秘密にしてんだから。けど…オマエ本人からバレるって可能性もあるかも知れねーし、注意しとけよ」



「肝に銘じておきます」



「あー!!二人が内緒の話してる!!」



「マイキーくん」



「ケンチンと何話してたの？オレにも教えて！」



「別に大した話は…」



「嘘!!すげー仲良さそうに話してたじゃん!!カノがオレの知らないところで秘密作んのやだ！」



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