第20章 望んだ未来の"もしも"の話
「オマエら仲が良いのは認めるけどよ…流石に手まで繋いで来るとは思わなかったわ」
「は!?何で知って…!!」
「遠巻きにオマエらが手繋いでンの見えてたんだよ。下で何か揉めてたみたいだけど途中でマイキーが嬉しそうな顔してたから無事に解決したんだと思ったけどさ…野郎同士で手なんか繋いでると周りの奴らが変に思うぞ」
「僕もそう言ったんですよ…男同士で手なんか繋いだらみんなが変に思うって。でも聞いてくれないんですもん…」
「別に見られても気にしねぇし」
「もう!マイキーくん!」
「え?二人って、どういう関係…?」
そこでエマが不思議そうに聞いてきた。
「どういうって…」
「オレの彼女♪」
「え!?彼女!?」
「ちょっとマイキーくん!?」
返答に困っていると横からマイキーがサラッと口を挟んだ。"彼氏"ならまだしも"彼女"と答えた事で、その場にいるマイキー以外の三人は驚いた顔を浮かべている。
「もしかして…あの時言ってた"カノジョ"って…カノトのことだったの?」
「可愛いだろ?♥」
「男なのに…?」
「関係なくね?男でも女でもコイツはオレの大事な恋人なの。好きになる相手が異性じゃなきゃダメなんて誰が決めたんだよ。オレはカノが好きだから一緒にいんの」
「…マイキーくん」
「別にダメなんて言ってないでしょ。マイキーの好きになった人だもん。それが例え男だろうと関係ないよ。ね、ドラケン!」
「オマエらが好き合ってようが、付き合ってようが、お互いに惹かれあってンなら別にいいんじゃねェの。それにカノならマイキーのこと任せられるしな」
「ドラケンくん…」
「コイツ腹立つほど我儘だろ?あとマイペースで振り回されンだよな」
「我儘過ぎて困り果てる事が多いです。それでも一緒にいると決めたのは僕ですから」
それを聞いたドラケンがふと笑う。
「こんな兄貴だけどマイキーをよろしくね!カノト!」
「うん、エマちゃん」
「マイキー!カノトは優しいんだからあまり我儘言って困らせないでよ?」
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