第20章 望んだ未来の"もしも"の話
「まぁキスしたらオマエは嫌でもオレしか見れなくなるけどな」
余裕たっぷりに笑んだマイキーが顔を近付けながら目を閉じるのを見て、カノトも静かに目を閉じ、お互いに唇を重ね合わせた。
ちゅっ
「んっ」
「ちょっと声洩れたな。可愛い〜♥」
唇を離せば、マイキーは腰に両手を回したままニヤニヤと笑う。
「ここが外じゃなかったら襲ってンのに」
「っ、」
「あ。今期待した?野外プレイとか今度シてみる?結構興奮するかもよ?」
「き、期待してません!それにそういう…マニアックなプレイも望んでません!」
「顔真っ赤にさせて言われても説得力ないなー。でもそっか、カノはオレと一緒ならどこでナニをシても嬉しいんだっけ」
「そんなこと言ってない!」
「照れんなって♪」
「照れてないッ!!」
わざと照れさせる事を言ってくる意地悪なマイキーにむっとしながら怒るも、それすらマイキーは可愛いと思ってるらしく、ニコニコと嬉しそうに笑っている。
「もうマイキーくんとは手を繋ぎません。離してください」
「は?ダメに決まってンだろ。オレの傍から勝手に離れたら捕まえて誰の目にも触れさせねェ所に閉じ込めるからな」
「ガチの目やめてください」
「本気だけど?」
「すみません私が悪かったです。勝手に傍を離れたりしないので落ち着いてください。手に込める力が強すぎて痛いです」
怖い目をしたマイキーの手にギリッと力が込められ、繋がれた手に鈍い痛みが襲う。
本気でカノトが傍を離れる事を許さないと云った声色を聞いて流石にさっきの言葉はまずいと思ったのか、カノトもすぐに訂正した。
「オマエに酷い事したくねェんだから、頼むからオレを置いて勝手に傍から離れたりすんなよ。黙ってオレの前からいなくなんのもナシだからな」
「何度も言ってるじゃないですか。マイキーくんを置いてどこかに行ったりしないし、勝手に傍を離れたりしませんよ」
そう言って繋がれた手にギュッと力を込める。
「だからそんな怖い顔しないでください」
「……………」
「そろそろ行きましょう。ドラケンくんとエマちゃんが待ってます」
「…だな。二人に怒られても嫌だしな」
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