第19章 最高のお返し(♥)
「桜貝は見つからなかったけど…オレの隣でずっと笑ってるカノを見てる方がオレはすげぇ幸せ。こうして手を繋いでオマエと見つめ合って、他愛ねぇ話で幸せを感じてさ…それって、オレの幸せを見つけるよりも世界一幸せな事だと思うんだ」
「私は二人で幸せになりたいです。だからマイキーくんにも同じ幸せが訪れる事を願います。」
「カノは優しいな…」
「(優しいのは貴方です。)」
「じゃあオレを幸せにしてくれる?」
「!はい…!もちろんです!」
「(意味分かってねェんだろうなァ。)」
「私がマイキーくんを幸せにします!」
「(それ、完璧なプロポーズの言葉なんだけど…気付いてないトコが可愛いんだよな。)」
無邪気に笑うカノトを見て、"まぁ…まだいいか"と心の中で呟き、嬉しそうに微笑む。
「うん、ぜってー幸せにして。オレもオマエをずっと幸せにするから」
そう伝えるとカノトも嬉しそうに頷いた。
「そうだカノ、初詣一緒に行こう」
「初詣ですか?」
「毎年、エマとケンチンと行ってンだけど、今年はカノも一緒に行こうよ」
「別にいいですけど…」
「マジ?行ってくれんの!?」
「でも先に言っておきますけど着物は着れませんよ?」
「は?何で?」
「男装中なので。それに着付けとか時間掛かりますし。袴で行こうかなと。」
「……………」
そう言うとマイキーは不機嫌そうに顔をしかめて、頬を膨らませた。
「やだ。カノの着物見たい」
「見れないです。」
「やだやだ!すげェ見たい!どうして着てくんねぇの!?男装中とか別にいいじゃん!着物着たカノと初詣行きたい!」
「うっ、急に抱き着いて来ないでください…!」
駄々をこねたマイキーが泣き真似を始め、ガバッとカノトに抱き着いた。勢い良く抱きしめられた為、苦しげに顔を歪める。
「なぁ、着物着よ?一緒に写真撮ろ?」
「もぉ…着ませんってば」
「オレの為にお洒落したカノの着物姿が見たい!すげー可愛いから写真も撮りたい!そんで年が明けたらオレともっかいえっちしよ!」
「っ!ばか!しません…!」
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