第18章 ふたりきりのクリスマス
「それ、本物の花を加工してんだって。えーと…なんて言ったっけ?」
「もしかして…プリザーブドフラワー?」
「そうそれ!生花が一番きれいな時期に色素を抜いて、特別な染料を吸わせて造ってるんだ」
「(マイキーくんがまさかコレをプレゼントしてくれるなんて…。そもそもプリザーブドフラワーの存在すら知らなさそうなのに…)」
「あー今すげー失礼な事考えてるだろ」
「え!?えっと…マイキーくんがプリザーブドフラワーの存在を知っていた事に驚いてしまって…」
「エマに聞いた」
「エマちゃんに?」
「女にプレゼント贈りたいんだけどっつったら、"じゃあコレ!!"って携帯でその…ぷりざーぶと?フラワーの写真見せられて"絶対カノ喜ぶ!"って思って作り方もエマに教わりながらオレが作った!」
ふふんっと自慢げに胸を張る。
「まぁその後、『マイキーが女の子にプレゼント!?誰に贈るの!?』ってしつこく聞いてきたからカノジョって言っておいた」
「言っちゃったんですか!?」
「言っちゃった♥」
「まさか私の名前出したり…」
「出しても良かったんだけど、エマにオマエとの時間奪われんのもやだし、そこは伏せといた」
それを聞いてホッと安堵の息を洩らす。
「(まぁただ…造るのにすげー苦労したけど。)」
『そんなに雑に詰めない!!花の配置も考えないと彩りが綺麗に見えないでしょ!!』
『あ〜!!エマさっきから口うるせえ!!ちゃんと教えられた通りに造ってんだろ!?』
『マイキーってばホント不器用!!』
『あ"ぁ!?』
ぎゃあぎゃあと喧嘩を交えながらどうにか完成したプリザーブドフラワーだ。
「生花よりそっちの方がいいと思ってさ。水やりの必要もねぇし、本物の花みたいに数日で枯れる事もない。長期保存もできるし、蓋を土台にして飾っておけるんだ」
「あ…その為の蓋なんですね。パールビーズのリボンも掛けられてるし、コレを飾ったら最高に可愛いですね!」
「気に入ってくれる?」
「もちろんです!すごく嬉しいです!こんな素敵なサプライズ、ありがとうございますマイキーくん!」
「(その顔が見たかったんだよな。あーすげぇ可愛い。天使かよってマジで思う。)」
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