第18章 ふたりきりのクリスマス
「も、もう帰りましょう!」
「ん。帰ってデートしよ。」
「デート!?」
「ち、ちがッ!!いや…違くないけど!!もうマイキーくん!!わざとですね!?」
「二人に取られたくねーもん」
「別に取らないっスよ!?」
「そうですよ!!というよりオレにはヒナがいるんで他の奴を好きになるつもりはないです!!」
二人は顔は笑っているが目が笑っていないマイキーを見て慌てて否定する。
「(つーかマイキー君から奪えるとか思えねーし。独占欲強すぎだろ。)」
「(カノちゃんが関わるとマイキー君怖ぇんだよな…)」
「この話はもうおしまいです!さっさと帰りましょうマイキーくん!」
恥ずかしさでいたたまれなくなってマイキーの背中をぐいぐいと押す。
「そんなに照れなくてもいいのに」
「うるさいです」
「照れ隠し〜♥」
「うるさいですっ!」
首だけを後ろに向けてにまにまと笑うマイキーに頬を赤らめ、毒を吐く。更にからかってくるので少し強めに言ってやった。
「もう…二人の前であんなことするなんて…」
「一応牽制しとかねーと、横から奪われたら嫌じゃん」
「…そんなことしませんよ」
「分かってねぇなぁカノは」
「どういうことですか?」
「男って生き物はさ、欲しいと思ったものはどんな手を使ってでも絶対に自分のもんにしてぇんだよ。だからもう少し自分が可愛いってこと自覚しないと、前みたいにオレが分からせてやる事になるよ?」
「!」
「まぁ…オマエを誰かに渡すつもりは一ミリもねぇけど」
「マイキーくんから奪おうとする命知らずはは誰もないと思いますよ」
「だな!」
ハハッと笑ってマイキーはバブに跨る。カノトも渡されたヘルメットを装着し、後ろに乗った。
「(兄さんに連絡入れとこ。)」
詳しくは書かず、色々あってこれからマイキーとクリスマスをする事を連絡する。"遅くならないように"と言われたマドカの言葉を早速裏切ってしまい苦笑するが、"兄さんなら分かってくれるだろう"と自己完結し、送信のボタンを押した。
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