第18章 ふたりきりのクリスマス
「一人の犠牲者もなく…クリスマスを終えれた。君が最後まで諦めず立ち向かったからだ。ねぇ…これでまた、前に進めるね」
ニコリと微笑むとタケミチはポロッと涙を流した。
「カノちゃん…千冬…」
「うん」
「ミッションコンプリートだ」
「だな!」
「千冬くんもありがとう」
「……………」
「どうかした?」
「いや…本当に女なんだなと思って…」
「びっくりさせてごめんね。でも変わらず仲良くしてくれると嬉しいな」
「別にオマエが女だからって変に距離置いたりしねぇよ。これからもよろしく頼むな、カノ!」
「うん!こちらこそよろしく!千冬くん!」
「他に誰が知ってんの?オマエが女だって」
「今のところはタケミチくんと千冬くんと…あとマイキーくんかな」
「マイキー君も?」
「カノちゃんがドジったせいでバレちまったんだよ。ほらコイツ、嘘つけねぇ性格だから」
「聞き捨てならないなぁ〜。僕よりもドジっ子なのはタケミチくんでしょ。元はダメフリーターのどうて…」
「うわああ!!何言おうとしてんだよ!?」
その先を言わせまいと慌ててカノトの言葉を遮るタケミチ。千冬はカノトの言おうとしている言葉の続きが分かったのか、"あー"というような顔を浮かべている。
「すげー楽しそうな話してんね。三人で何をそんなに楽しそうに話してんの?」
「マイキーくん」
「オレも混ぜて」
にこっと笑みを浮かべたマイキーがカノトの傍に歩み寄り、話の輪に加わろうとする。
「いや大した話は…」
「そうやってまたオレの知らないところで秘密作ろうとする〜」
「別に秘密を作ろうとしてるわけじゃ…」
「二人には話せてオレには話せねーの?」
「ま、マイキーくん…あんまり体を寄せないでください」
「やだ♥」
マイキーはニコッと笑い、更に体を寄せて来る。その様子を見た千冬が隣にいるタケミチにコソッと耳打ちをした。
「なぁタケミっち、あの二人って…」
「あーうん。"そういう関係"。」
「だよな…。つーかマイキー君、人目もはばからずイチャイチャすんのな。オレらがいても全然お構い無しだし」
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