第18章 ふたりきりのクリスマス
その頃────。
「あーくっそ寒ィ…」
二人の帰りを待つドラケンはガードレールに寄り掛かり、ポケットに手を突っ込んだまま、寒さに震えていた。
「(バイク取りに帰って正解だったな。これで少しは時間潰せただろ。その途中であいつらが好きそうなスイーツも買ったし…あとは二人揃って戻ってくるのを待つだけだ。)」
愛機のゼファーのハンドルにコンビニで買ったスイーツの袋が下げられている。中には甘いもの好きな二人が選びそうなスイーツとお菓子が入っている。きっと喜んでくれるに違いない。
すると遠くから聞き馴染みのある排気音が聞こえてきた。その排気音を鳴らしているのは誰なのか分かっているドラケンは顔を向け、道路の先を見つめる。
「やっと来たか…」
ドラケンの視線の先に一台のバイクが見える。ピンクゴールドの髪を靡かせ、バブを運転しているマイキーと、その後ろに乗っているカノトだ。"二人一緒"という約束を守ったマイキーと無事でいてくれたカノトにドラケンはふと笑みを浮かべた。
「ドラケンくん!」
「おーカノ。大丈夫か?」
「はい、マイキーくんが助けに来てくれたのでなんとか無事でした」
「よく見つけ出せたな」
「オレを誰だと思ってんの?どこにいたってカノを見つける自信あるし」
「!」
マイキーが振り向き、ニコッと微笑む。
「ま、今回見つけ出せたのも愛の力ってやつだしね♪」
「ドラケンくんの前で何言ってるんですか…!」
「照れてる〜♥」
「照れてないっ!」
「イチャイチャすんなー」
にまにまと笑うマイキーとそれに反論するカノトの甘い雰囲気に呑まれそうになったドラケンは呆れるように言う。
「つーかケンチン、このクソ寒い中、わざわざゼファー取りに帰ったの?」
「暇だったからな。ほらコレ、途中で買ったコンビニのスイーツ。あとお菓子。好きだろ?甘いもの。仲良く食べろよ」
「わぁ!ありがとうございます!」
「たい焼きは?」
「コンビニだっつってんだろ。ねーよ、たい焼きなんて。その代わりどら焼き買っといた」
「さすがケンチン!」
「お菓子も美味しそうなのばかりですよ」
「見して」
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