第18章 ふたりきりのクリスマス
袋の中身をマイキーと覗くと、お菓子の他にどら焼きと生チョコクレープとプリンまで入っている。二人は目をキラキラと輝かせた。
「どれも美味そうだから全部半分こして食お!」
「食べるの楽しみですね!」
二人は嬉しそうな顔で笑い合う。そんな二人の仲を微笑ましげに見つめるドラケンの携帯にエマから着信が入る。
「あん?タケミっち?」
「!」
「マイキー。エマがタケミっちどこにいるか知らねェか?って」
「知らねぇよ」
「俺らは知らねぇよ」
「(タケミチくん…まだ戦ってるのかな?千冬くんも無事だといいけど…。どこにいるんだろう?)」
「あん?捜せ?面倒くせぇ…クリスマスだぞ?」
「……………」
するとマイキーがじっとドラケンを見る。
「ケンチン」
「!」
「戻ろうよ。さっきのインパルスの音、やっぱ三ツ谷だ。タケミっちも一緒かもしんねぇ!!」
「(三ツ谷くんも一緒にいるの?)」
「悪ぃカノ。少し付き合ってくれ。三ツ谷達に何かあったかもしんねぇ」
「もちろんです!でもマイキーくん、三ツ谷くん達がどこにいるか分かるんですか?」
「…うん。兄貴と場地が連れてってくれる」
「え?」
「行こうケンチン」
その言葉に違和感を覚えるも、マイキーはドラケンと共にバイクを走らせる。
✤ ✤ ✤
マイキーの案内で辿り着いた場所は教会だった。だがそこには白い特攻服を着た黒龍が総勢100人集まっている。
「(あれ?あの特服、前にどこかで…)」
「ビンゴだな」
「あぁ、三ツ谷もタケミっちもここにいる。ケンチン、この場は任せた」
「おう」
「ドラケンくん。この人数相手に一人で大丈夫ですか…?」
「心配すんな。マイキーを頼んだぞ」
「はい!」
ドラケンから離れ、先に歩いているマイキーの後を追い、教会の扉を開けた。
「メリークリスマス」
そう告げたマイキーの後ろからひょこっと顔を覗かせる。
「タケミチくん!千冬くん!」
「カノト!?」
黒龍との戦いでボロボロになっている二人はその場にいたカノトの存在に驚いた顔を浮かべる。
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