第17章 助けを求めたのは
「(やっぱりマイキーくんは凄い…あれだけ動いても息一つ上がってないなんて。)」
マイキーの蹴りで次々と男達が気絶する。無表情で倒して行くマイキーの背後に鉄パイプを持った男が忍び寄った。
「!」
それに逸早く気付き、"危ない!!"と思ったカノトは駆け出し、鉄パイプを振り上げる男の脇腹目掛けて本気の蹴りを食らわせた。
ガッ!!
「ぐあぁ!?」
「!!」
蹴られたと同時に鉄パイプが手から離れ、男の体は真横に吹き飛んだ。
「ハァハァ…ッ」
「やるじゃんカノ」
「マイキーくんの蹴り程じゃないですよ…」
「オレのカノジョ強くて惚れ直す♥」
「茶化さないでください」
「テメェら…調子こいてんじゃねェぞ!」
「「!」」
男達が二人を囲むように立つ。
「7.8人ってトコですかね…」
「やれそう?」
「大丈夫です。後ろは任せてください。マイキーくんの背中は僕が守ります」
「ん、任せた。ホント頼もしいな、カノは。タケミっちがオマエの強さに惚れ込むのも分かる気がする。オマエの背中はオレが守ってやるから存分に動け」
「はい」
背中合わせで二人は笑い合う。
「あの野郎をぶっ殺すはずだったのに計画が狂っちまった。何でアイツより先にテメェみてぇなチビが助けに来んだよ!!」
「コイツもコイツの兄貴も傷付けさせねぇ。テメェはここでオレらにぶっ潰される」
「あぁ!?」
「死ぬ覚悟はできてるか…?」
ハイライトを無くしたマイキーの瞳にぞわっと背筋を凍らせる。
「死ぬ覚悟…?その言葉、そっくりそのまま返してやるよ!テメェらこそ、俺らに楯突いた覚悟はできてんだろうなァ!?」
「その生意気な面、ぐちゃぐちゃに歪めてやるよ!」
「今更謝っても許してなんねーよ?」
その言葉を聞いた二人はふっと笑う。
「それはこっちのセリフだ」
「後から後悔して謝っても絶対に許さない」
「言っとくけどカノの強さ、こんなモンじゃねーから」
「マイキーくんの強さだってこんなモンじゃないですよ」
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