第17章 助けを求めたのは
「あァ?いきなり現れてヒーロー気取りかよ。つーかあの扉どうやってぶち破った?」
「蹴ったら吹き飛んだ」
「(マイキーくんの蹴りで扉が破壊されたんだ。…納得。)」
「どんな蹴りしてんだ」
「女一人に多勢で襲いかかるって随分卑怯な真似してんね。ダサくねェの?しかも武器なんか使ってさ」
「そのガキが俺らにナメた態度取るから少し痛い目に遭わせてやっただけだ」
「まぁおかげでボロボロだけどな♪」
「マイキーくん…そいつら、昔兄さんにコテンパンにされた復讐をするとか言って、僕を拉致して兄さんを呼び出したんです」
「オマエの兄貴を?」
「今頃兄はこっちに向かってるはずです。それまでにどうにかして片付けたかったんですけど…流石に僕一人の力じゃ無理でした…」
悔しげに顔をしかめ、ギュッと掌を握る。
「事情は分かった。ならオマエの兄貴が来る前にオレが片付ける。こんな奴らにオマエをもう傷付けさせねェから安心しろ」
「はァ?何言っちゃってんの?」
「"オレが片付ける"?ハハッ!随分と喧嘩に自信あるんだなァ?一人で俺らに勝てるとでも思ってんのか?」
「その女みたいにボロボロにしてやるよ」
「(コイツら…もしかしてマイキーくんの正体を知らない?)」
「……………」
マイキーは主犯格の男の一人に近づくと、見えない速さで男の米神目掛けて、核弾頭みたいな強烈な蹴りをめり込ませた。
ガッ!!
そのまま地面に叩きつけられた男は呆気なく一瞬で気絶した。
「は……?」
「お、おい!?」
マイキーの強さを目の当たりにした男達はあんぐりと口を開け、驚いた顔を浮かべる。気絶した男はピクリとも動かない。
「次、どいつから死にてぇ?」
ギロリと鋭い眼光で男達を睨みつける。その圧倒的な存在に男達は狼狽え、恐怖に染まる顔を揃えた。
「中坊相手に何してやがる!!全員でぶっ殺せ!!」
男の一言で気を持ち直した男達は鉄パイプを握り締め、マイキーに襲いかかった。だがそこは総長。簡単にはやられない。上手く躱し、蹴りを叩き込んでいく。
「なんつー強さだよ、バケモノめ…」
苛立ち舌打ちをする。
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