第17章 助けを求めたのは
とは言え、相手はざっと数えて20人ちょい。対してこっちは女ひとり。普通でいけば瞬殺だ。ただカノトも黙ってやられる女ではない。得意の三つの必殺技を上手く利用できるのではないかと考えた。
「(とりあえず半分まで減らして、隙を見て逃げる。逃げられなかったら…助かる事を祈ろう!)」
「おい、見たかよ?コイツひとりで俺ら全員の相手するらしいぜ?」
「やめとけよ、がきんちょ。テメェが怪我して終わるだけだぞ」
「まぁでも…どうしてもってェなら、相手してやっか。お前ら武器持て!」
控えていた男達が武器を手に、ぞろぞろと近寄って来る。
「なぁなぁ!コイツ気絶したらオレらが好きにしていいんだろ?」
「ヤッちゃってもいいって事だよな!?」
「好きにしろ」
「女ァ!テメェを速攻でボコッてやっから覚悟しとけよ!」
「気持ちよーくしてやるからなァ!!」
「(下衆。)」
「やっちまえ!!」
男の合図で武器を持った奴らが一斉に走り出し、カノトに襲いかかる。
「死ねクソガキィ!!」
鉄パイプを両手で振り上げた男がカノトに向けて振り下ろす。ガンッ!!という鈍い音が響いた。かと思えば、それは鉄パイプが地面に叩きつけられた音だった。
「何!?」
振り下ろされたタイミングを見計らって体の重心を後ろに逸らして躱したカノトは驚いてる男の顎目掛けて思いきり片足を蹴り上げた。
ゴッ!!
「がは……ッ!?」
男の重い体が簡単に宙に浮き上がり、そのまま弧を描いて、背中から地面に叩きつけられた。
「つ、強い…」
「怯むんじゃねェ!!一人で行こうとすんな!!2~3人で纏めて掛かれ!!」
「うおおおお!!」
「死ねぇぇ!!」
「(まず鉄パイプを躱して…)」
振り下げられた鉄パイプをひょいっと横に飛んで回避し、すぐに片足を使い、鉄パイプを弾き飛ばす。
「は!?」
「(驚いてる隙に胸ぐらを掴んで…)」
「なっ……!?」
「(背負い投げる───!!!)」
ダァン!!!
男の視線が宙を飛ぶ鉄パイプに向けられてる隙に胸ぐらを引っ付かみ、体を反転させて男を逆側に投げ飛ばした。
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