第2章 無敵のマイキー
「(今日はやけに人が多い。何かあるのかな?)」
「カノじゃん」
「!」
「こんな夜にどこ行くの?」
名前を呼ばれ、顔を向けると私服姿のマイキーがいて、驚いて目を見張った。
「えっと…コンビニに行く途中です。マイキーくんこそ…何してるんですか?」
「ケンチン家寄った帰り。つーかカノ、一人で出歩くと危ねーじゃん。ちゃんと防犯ブザーとか持ち歩いてる?」
持ってないと答えると“ダメじゃん”と笑われた。
「コンビニ行くならオレも着いてっていい?」
「それは構わないですけど…」
何故かマイキーと一緒にコンビニまで行くことになった。
「(マイキーくんの私服姿、初めて見た。)」
いつもは学ランか特服を着ている為、私服というのはなかなかレアだ。
「カノさ、それ無意識?」
「え?何がですか?」
「オレのことじっと見つめんの」
「!」
「やっぱ無意識か…」
「え、あ、そんなに見つめてました…?」
「うん。何、オレの私服姿珍しーとか思った?」
「!」
「図星」
マイキーが面白そうに笑った。
「オレもオマエの私服姿見るの初めて。なんかいいな、そういう姿見るのもさ」
「そう…ですか?」
「いつもどういう服着てんの?」
「系統は決まってないですけど…欲しいと思った服は即買いしちゃいます」
「オレ、服とかあんまこだわりないんだよね。選ぶ服もテキトーだしさ」
「マイキーくんなら何でも似合うと思いますけど…」
「じゃあ、今度オマエがオレの服選んでよ」
「え?」
「オレに似合う服、一緒に探して」
目元を緩め、笑んだマイキーにドキッと胸が高鳴ってしまった。
「ぼ、僕が…ですか?」
「オマエ以外に誰がいんの?」
「(マイキーくんの服を選ぶ…)」
それってつまり…
「(二人でってこと?え、マイキーくんと二人で服選びに出かけるの?)」
「今オマエが何考えてるか当ててやろうか」
「わ、分かるんですか?」
「“マイキーくんと二人で出かけるの?”とか思ってるだろ」
「!!」
「顔に出てた」
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