第2章 無敵のマイキー
「(そんなに出やすいの私!?)」
「オレと出かけるのはやだ?」
「別に…嫌ではないです、けど…」
「んじゃ決まりな」
こうしてマイキーの服選びに付き合うことを約束させられたカノトだった。
話をしている間にコンビニに到着する。マドカと一緒に食べるケーキを選んだ後、違うスイーツも買うことにした。
「新作のスイーツが出てる」
「おー美味そうなのばっかじゃん」
「(どれにしようかな。)」
どら焼き、シュークリーム、プリン、エクレア…。甘いものが好きなカノトは真剣に選び始める。
「オレ、雑誌見てるから終わったら声掛けて」
「あ、はい」
とりあえずシュークリームとエクレアをカゴに入れ、会計を済ませて雑誌を読んでいるマイキーに声を掛けた。
「マイキーくん!お待たせしました!」
「ん。」
「エクレア買ったので半分こしましょう」
「オレ、金持ってないよ?」
「流石にお金貰ったりしませんよ」
コンビニから出て買ったエクレアを半分に割り、マイキーに渡す。
「うまっ!」
「甘くて美味しい!」
「中身が苺クリームってのがいいな」
ヒュゥゥゥゥ〜…
「!」
ドォォォォン!!
「わ…花火!」
大きな音が響いたかと思えば、空を彩るように綺麗な打ち上げ花火が上がった。
「(だから人が多かったんだ!)」
「もっと近くで見たら迫力あるかもよ」
「もっと近くで…?」
最後のエクレアを頬張り、端についた苺クリームをぺろっと舌で舐めとったマイキーが色っぽく見え、カノトはドキッとし、微かに頬を染めた。
マイキーが連れてきたのはどこかのマンションの屋上だった。
「勝手に入っていいのかな…」
「いいんじゃね?」
「(そんなあっさりと…)」
けれど屋上から見た花火は迫力があり、下で見た時よりも遥かに彩り綺麗に映った。
「すごい…」
感動して語彙力を失っていると、マイキーがカノトの横顔を見つめていた。
「(ほんと女みてーな顔…)」
「ここから見た方が綺麗ですね!」
マイキーの方を見ると彼もこちらを見ていて驚いて思わずピシッと固まった。
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