第14章 我儘な総長は照れ屋な彼女が愛おしい
怒りがふつふつと込み上げるも恥ずかしさの方が勝ってしまい、今にでも気絶しそうだ。
「頬がほんのりピンクに色づいててすげー色っぽい」
「!」
「ほんと美人だなオマエ」
「マイキーくんだって…いつも上げてる前髪が下ろされてるの、すごく色っぽいです…」
「色っぽいだけ?」
「…いつも…惚れ惚れしちゃうほど…その…かっこいいです」
「!」
照れるように視線を逸らしたカノトの言葉と表情にプツッとマイキーの頭の中で何かが切れた音がした。
「あー…ちょっとまずい。」
「え?」
「すっげぇムラムラする。」
「ム……!?」
「オマエがオレの理性崩しに来るから我慢が利かなくなった。オレ、言ったよな?理性崩したら襲うって」
「!」
「だからもう上がって、ベッドでたくさんキスさせて。」
驚いているカノトの手を引き、マイキーは風呂場から出て行く。
✤ ✤ ✤
「ちょっとマイキーくん…!」
アヒル隊を置き去りにして、浴衣に着替えるも"遅い!"と紐を適当に結ばれ、髪も乾かす暇もなく、マイキーに手を掴まれ、そのままベッドに押し倒される。
「お、落ち着い…」
「もう我慢の限界。キスしたい。させて。マジで無理。今日まだ一回もしてない。すげーしたい。」
「っ…………」
マイキーは興奮しているのか、普段より早口になり、辛そうに眉を顰め、カノトを見下ろしている。
「(マイキーくんのこんな表情…初めて見た。食べられそうで…怖い。けど…そんな彼に興奮している私もいる。)」
小さく頷けば、顎に手を添えられる。
「口開けて」
"あー…"と恐る恐る口を開けば、目を瞑ったマイキーが唇を重ね、舌を絡ませてきた。
「んっ!?」
ビックリしてマイキーの胸元の浴衣を掴む。
「んんっ…ふ、ぁ…んっ…んぅぅ…っ」
くちゅっ、ちゅっ、と耳を塞ぎたくなるような音を響かせ、マイキーの舌が生き物のように深く長く絡み合う。
「ん、ふっ…は、ぁ…っ、ん…んんっ!」
息、苦しい…
でも…気持ちよくてボーッとする…
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