第14章 我儘な総長は照れ屋な彼女が愛おしい
「ラブホっぽい部屋だよなーココ」
「へ!?」
「本当はそうだったりして」
ニヤリと笑んだマイキーが濡れた上着をバサッと脱いだ。
「っ!?何で脱ぐんです!?」
「濡れてんのいつまでも着てたらキモチワリーじゃん。ほら…オマエも脱いで。」
「やっ…ちょっと待って…!」
上半身裸のマイキーがこちらに歩いて来て、カノトの濡れた服に手を掛ける。
「服から手を放してください…!」
「こーら逃げんな。」
やんわりと後ろにある壁に押さえつけられる。マイキーと壁に挟まれたカノトは今の状況に頭が追いつかず、混乱した。
「このままだとオマエもカゼひくし…お風呂、一緒に入ろ♥」
「は……!?」
お…風呂…?
「む、無理無理…!!」
恥ずかし過ぎて死ぬ…!!
「顔真っ赤。オレと風呂に入るのがそんなに恥ずかしい?」
「……………」
「それとも警戒してる?オレにえっちなこといーっぱいされるんじゃないかって思ってる?」
「だ…だから!!そういう言葉を…」
「さすがに襲ったりしないよ?…多分。」
「(多分!?全く信用できない!!)」
「なぁ、一緒に入ろ?」
「入りませんってば!」
「ほんっと頑固!このままだと二人してカゼひくっつってんの!」
「僕、あんまり風邪ひかないタイプなのでマイキーくんお先にお風呂どうぞ」
「オレだけだと寂しいだろ!だからオマエも一緒に入んの!あったかいお湯に浸かってイチャイチャしよ!」
「二人で入ると狭いので一人ずつ入った方がのびのび出来ますよ」
「……………」
断固拒否するカノトにマイキーは顔を伏せた。
「(ちょっと言い過ぎたかな…)」
「…寒ィ。」
「え?」
「くしゅっ!」
「!ああほら!くしゃみしてるじゃないですか!早くお風呂に入ってください!」
「カノが一緒に入ってくれたら入る…」
「(っ〜〜〜ああもう!!)」
ここまで我儘で諦めが悪いとは…!!
「何もしないって約束してくれたら一緒に入ってあげます」
「!!」
パッとマイキーが顔を上げる。
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