第14章 我儘な総長は照れ屋な彼女が愛おしい
するとマイキーは悩み始めた。自分以外の前では水着姿を晒して欲しくない。でもカノトと海に入って遊びたい。マイキーの頭の中で葛藤が駆け巡る。
「それとも…一緒に遊びたくないですか?」
「…遊びたい。」
「じゃあ水着にならないとですね」
「はぁ…しゃーない。カノと海で遊ぶ為だ我慢する!ホントはすっごいやだけど!!」
「(なんとかお許しがでた。)」
カノトはホッと安堵の息を洩らす。
「けどせめて、水着はオレに選ばせて!」
「それは構わないですけど…」
「あーでも首が見えるタイプはまずいな」
「どうしてですか?」
「"ここ"」
指先でトンッとカノトの首筋に触れる。
「キスマーク。見えちゃうだろ?」
「っ!?」
「オレのモノってシルシ。まだ消えずに残ってるから、近くで見た奴らがビックリするかもな」
「ま、マイキーくん…」
「まぁでも…良い虫除けになるからオレは見えてた方が安心するけどね」
「できたら痕が見えない水着を選んで頂けると非常に助かるのですが…」
「えーどうしよっかな♥」
カノトの反応を楽しむようにニコニコ笑う。
「オレのこと、世界で一番大好きって言ってくれたら考えてあげてもいーよ」
「え……」
「そしたらめちゃくちゃ可愛いの選んであげる。もちろん首のキスマークが見えないタイプのやつな♪」
「(そんなの…前から分かってるくせに。わざと私の口から言わせようとしてる。)」
それが悔しくて頬を膨らませる。
「言ってあげません」
「は!?何で!?」
カノトなら言ってくれると思っていたのか、予想外の言葉にマイキーは驚いた顔を浮かべる。
「いつもなら言ってくれんじゃん!!」
「わざと意地悪な事言う人には簡単には言いません」
そう言うとマイキーは"うっ…"と黙り込む。
「じゃあもういい。」
ふいっと顔を背ける。
「カノが言ってくれるまで口利かねぇ。」
「面倒くさい拗ね方しないでください」
「……………」
つーんと顔を背け、こちらを見ないマイキーのいつもの我儘に溜息を吐く。
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