第14章 我儘な総長は照れ屋な彼女が愛おしい
「もしかして桜貝探してるんですか?」
「見つけるのが難しいって言われると、余計に見つけたくなんじゃん。それに…幸運はオマエみたいな奴に訪れた方が絶対に良い」
「!」
私の為に探してくれてる…?
「なら二枚探しましょう。私とマイキーくんの分。そしたら二人に幸運が訪れます」
「オレの幸せも一緒に見つけてくれんの?」
「はい。無事見つけることができたらネックレスに通して身に付けるのもいいですね」
「それすげーいいね。オレはオマエがいれば十分幸せだけど、桜貝見つけてカノともっと幸せになりてぇな」
「ダメ元で探してみましょう!」
「うん」
それから二人は幸運の貝を探し始めた。砂に落ちているのは硝子の破片とただの貝ばかりで桜貝を見つけ出すのは本当に至難の業だ。
「うーん…やっぱり見つからないですね」
「ちっさい蟹は見つけたけどな」
「諦めましょうか」
そう言って立ち上がる。
「ちょっと残念でしたけどね」
「……………」
マイキーも諦めたのか、何も言わず立ち上がった。
「海風が気持ちいいですね」
「あーこれが夏なら海水浴できんのに。オマエの水着姿も堪能できたのに」
「!」
「なぁ来年の夏、一緒に泳ぎに来よう」
「(来年…。)」
果たして来年の夏まで
"私"はここにいられるんだろうか…
「そう…ですね。来年の夏…一緒に泳ぎに来たいですね」
「カノなら白ビキニとか似合いそー」
「ビキニ!?無理です!ハードル高い!」
「黒よりマシじゃん」
「それならハイネックタイプとかワンショルダータイプの方がまだマシですよ」
「どんなの?可愛いやつ?」
携帯で検索してハイネックタイプとワンショルダータイプの両方の水着をマイキーに見せる。
「……………」
マイキーは何故か険しい表情で画面をじぃ〜っと睨んでいる。
「どうしました?」
「確かにこういう水着も似合うけどさ…」
「(何か不満でもあるのかな?)」
「カノがこういう水着着て、泳ぎに来るとするじゃん?」
「…はい?」
「そしたらオマエの水着姿を周りの野郎共が見るわけだろ?」
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