第13章 夢で会えたら
「やーん♥制服姿チョー似合う〜♥」
「ありがとうございます」
「しかも眼鏡掛けたみゃーむら君もイケメン〜♥萌えポイントたかぁ〜い♥」
学校終わりにめぐたんが働いているファミレスに着き、制服に着替える。眼鏡を掛けただけで更にイケメン度が増すとは思わなかったのか、カノトは苦笑した。
「ますます好きになっちゃう〜♥」
「チャッピーが聞いたら悲しみますよ」
「だってイケメンなんだもーん♥」
「いえいえ」
「謙遜しなくてもいいのに〜。じゃあもう少ししたら呼びに来るねぇ♪」
めぐたんはニコニコと笑って部屋を出た。
「簡単に引き受けちゃったけど…やっぱり少し不安だな。ちゃんと出来るだろうか?」
胸に手を当て、不安げな顔を浮かべる。
ピロン♪
「(メール?)」
相手を確認するとマイキーからだ。
"腹減ったからなんか食いに行こ!"
「(あー…今は無理だ。)」
断ろうとして"いや待てよ"と文字を打とうとした指先が止まる。
「(断ったら…不貞腐れそう。)」
総長をしている時のマイキーはキリッとしているが、普段のマイキーは歳相応の子供のように色んな顔を見せる。更にカノトにだけ甘々モードになるのだ。抱き着きたいし、キスだってしたい。好きだからどんな理由でも会いたい。なのでカノトに拒否されると、不貞腐れるし、いじけてしまうのだ。
「(さて…どうやって断ろうかな。)」
ピロン♪
「(またメール…)」
"もう学校終わってるよな?何で返信してくんねェの?"
ピロン♪
"いつもならすぐ返してくれんのに…"
ピロン♪
"なぁ…一緒にご飯食べよ。"
ピロン♪
"カノが返事返してくんない…"
ピロン♪
"それともオレとご飯食べんのやだ?"
ピロン♪
"…もういい。ひとりで食う!"
ピロン♪
"お子様ランチ食うけど、後から食べたいって言っても絶対にやんねー!"
ピロン♪
"なぁ…オマエに無視されんのやだ。すげー寂しいからオレに返信ちょーだい…"
「(すっごいピロンピロン来るんですけど!?返信するタイミングをください…!!)」
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