第12章 狙った獲物をオトす為に
集会当日────。
「早くしろやタケミっち」
「カノも急げ」
「なんかこっ恥ずかしいっスね…」
「ドキドキします…」
「オマエ更にイケメン度増してない?特攻服着てもイケメンとかズリィ…」
「僻まない僻まない」
「全然僻んでませんケド!?」
「声が裏返ってるよ」
"くそぅ…"と恨めしげにタケミチはカノトを見る。
「さぁお披露目だ」
石段を登り、鳥居を潜る。
「ん?」
ドラケンが二人に気付き、振り返った。
「似合ってねぇなぁオマエ!」
「………、ですよね!着せられてる感ハンパねーっス!」
「カノは似合いすぎてて腹立つな!」
「褒めてます?貶してます?」
「褒めてるに決まってんだろー」
ドラケンは笑って言った。
「改めて、東京卍會へようこそ」
「ハイ!!よろしくお願いします!!!」
「よろしくお願いします」
「おう」
タケミチは後ろで手を組み、バッと頭を下げる。そんなタケミチとは対照的にピシッと太ももに手をくっ付け、深々と頭を下げたカノト。
「さて、集会始まんぞ!」
「ハイ」
「オマエらにとって大事な集会だ。覚悟しとけ!」
緊張感のある言い方に二人はごくっと息を呑む。そして総長であるマイキーが登場した。
「え!?」
タケミチが驚きの声を上げる。マイキーの後ろから半間が現れたのだ。
「芭流覇羅!?」
「っ………!?」
カノトもギョッと目を見開く。
「半間に…千冬…!?」
「どうして千冬くんまで…?」
「今日の集会は荒れンぞー。"血のハロウィン"の総決算だ!」
「(何で半間が東卍に!?)」
胸の前で握った掌を当て、不安げに半間を見る。ドクンドクンと心臓が逸り、じっと見据えていると、半間の視線がこちらを向いた。
「っ!」
ビクッと体を跳ねさせるが、半間は興味がないようにスッとカノトから視線を逸らす。
「(あ、あれ…?)」
いつもならカノトを見た瞬間、『勇者チャ〜ン!』と執拗に捕らえようとするのに、今日の半間は大人しかった。
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